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【メンバー日記】鎌倉殿の13人で情緒を狂わされた話


先週、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の最終回が終わりました

思えば一昨年くらいに「2022年の大河は鎌倉大河。主人公は北条義時、脚本は三谷幸喜」というリリースからあっという間に最終回を迎えた気がします。そしてここまで毎週胸が痛み重たい感情をぶつけられる大河になるとは思いませんでした。SNSでも毎回放送後は世界のトレンド一位を獲得して社会的にもインパクトを与えた大河でした

少しだけ解説すると今回の大河、鎌倉殿の13人は北条義時という、源頼朝に嫁いだ北条政子の弟を主役としており、鎌倉時代に幕府を牛耳る「執権北条氏」を作り上げた人物です。最終回でも描かれたように承久の乱で我が国で唯一朝廷を撃破し武士優位の世の中を作った方です。

ここからはこの大河を見て個人的な感想をつらつら書いていきます

1.全部大泉のせい
https://youtu.be/uFz1SVuufag
全部大泉のせいと言っておけば良いという雰囲気がありましたが、この頼朝がいたことで回避された悲劇、引き起こされた悲劇が多くありました。
頼朝という天才的政治家の魅力を余すことなく演じてくれました

2.北関東の武将活躍
自分が北関東出身だからというのもありますが八田知家という筋肉ムキムキの御家人を市原隼人さんが演じてくれて本当に良かった。

この八田知家という武将は宇都宮氏という栃木に根を張る大豪族の一族に生まれ今の茨城県に根を張ります。
彼の妹、寒川尼は頼朝の乳母でもあり彼女が嫁いだ小山政光との間に小山朝政、長沼宗政、結城朝光の3人を産みました。
ドラマ後半、長沼宗政がちょいちょい三浦義村との絡みで出てきましたがこの八田知家と長沼宗政は従兄弟同士ということになります。

関東を舞台にした大河で北関東出身の武将が活躍してくれて本当に良かった。あ、八田知家が筋肉ムキムキだったかは記録に残ってません

3.ほんと辛い御家人闘争
頼朝の死後に巻き起こったのが御家人間の戦いでした。
梶原景時、比企能員、畠山重忠、和田義盛など数えきれない御家人とその家族が犠牲となりました。
史実でも分かりきっていることではあるものの、脚本が上手いのか彼らへの感情移入を思いっきりさせられた後に悲劇をぶつけてくる鬼畜な脚本家のせいで後半は鬱展開の連続でした。
この闘争の中で生き延び、力をつけ続けたのが北条氏。義時がどんどん黒くなって闇堕ちしていく様は見ていて鬼気迫るものがありました。

余談ですが、彼は常に鎌倉ファーストで行動しており、鎌倉あっての北条と死ぬまで考えていました。1992年に放映された大河「太平記」では鎌倉幕府の最後が描かれますが北条家の皆さんが一堂に集まって共に最期を迎えますが「鎌倉あっての北条」というセリフが出てきます。この義時の想いが子孫にも及んでいたと思うと結構泣けます。

4.やっぱり最終回が神だった
このドラマは北条ファミリーの話だと三谷幸喜はよく話していました。
承久の乱での有名な政子の演説も弟を守るための内容となり、最後の最後に北条ファミリーの絆の強さを見せつけてくる熱い展開となりました。

他方、義時の最後では政子が義時に「もう苦しまなくて良い」と彼の薬を破棄します。
息子、北条泰時が唯一の希望と信じ、自分が慣れなかった鎌倉の光としての役割を泰時に期待し続けていました。
義時は自分が鎌倉の闇として全ての恨みと呪いを抱えて死ぬ覚悟まで決めていました。
その義時は泰時を自分が愛した女性で泰時の生母、八重に重ねて鎌倉の希望として泰時が存在することを望み、そう慣れなかった自分の人生を諦観していたように思います。

その義時に対して政子は「(泰時は八重に似てるというけども)一番似ている人がいる。あなたよ」と声をかけます。義時のことを弟として一番近くで見ていた政子は、闇に落ちざるをえなかった義時の光の部分をきちんと見ていたことを感じさせるシーンでした。もうここで情緒をぐっちゃぐちゃにさせられましたね。

最終回のタイトルは「報いの時」でしたがこの報いとはばちが当たるという意味に加え、義時のやったことを少しでも肯定してくれる人がいたことを表していたのだなって思いました。

これ以外にもこのドラマを語ろうとしたら1週間は話せる気がしますがこれくらいにしておきます。

最後に、この大河を見て鎌倉時代をもっと知りたいと思った方への本紹介です

1. 宝治合戦 北条得宗家と三浦一族の最終戦争

https://amzn.to/3VmKQVh
義時の盟友で三浦義村という人物が出てきましたが彼の子孫と義時の子孫は最終的に戦います。
その内容をまとめたのが本書です。小説パートと改札パートがあって面白い

2. 鎌倉幕府抗争史~御家人間抗争の二十七年~
今回の大河でも描かれた御家人間の戦いをさらに深くまとめたもの。ドラマでは描かれなかったより詳しい人物模様や政治関係の話がふんだんに盛り込まれてます

https://amzn.to/3WMd9O5

3. 図説 鎌倉北条氏―鎌倉幕府を主導した一族の全歴史

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鎌倉幕府といえば北条氏、ということでこの本を読めば北条博士になれます。北条家ってかなり子孫が枝分かれしていろんな分家があるんですよね。その中で六波羅探題や執権に誰がなったのか。他の人は何をしていたのかなどが大体わかります。この大河ドラマで北条家が好きになった人はぜひ。

ということで、来年は家康大河ですね。
それまではこの鎌倉大河の余韻に浸る正月を過ごそうと思います

https://youtu.be/iEBtCX3449k


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