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【メンバー日記】ナショナルギャラリーが日本へ来た!しかし…。


現在、上野の国立西洋美術館の特別展示にてロンドンナショナルギャラリー展が開催されております。

ロンドンナショナルギャラリーとは、イギリスのロンドン市内にある美術館のことです。ロンドン市内の博物館や美術館は無料であり、かつ大半は市内の中心部にあるため、連日多くの人が観覧に来ております。毎週金曜の18時から30分ほど館内で地元オーケストラによるクラシックコンサートが開催されておりました。

(ロンドンナショナルギャラリー外観)


(建物の正面にピカチュウがいた)

そんなナショナルギャラリーには、ゴッホの「ひまわりの絵」やフェルメールの「ヴァージナルの前に立つ若い女性」やダヴィンチの「聖母子と聖アンナと洗礼者聖ヨハネ」といった著名な画家の有名な絵画が多く展示してあります。
そんなこの美術館にイタリアの画家カラヴァッジョの作品も展示されております。
カラヴァッジョという画家を皆様ご存知でしょうか?

数年前まで自分も彼のことは無知でした。
偶然観たテレビ番組の「美の巨人たち」でカラヴァッジョの作品が紹介されておりました。絵画に全く興味・関心のない自分が、この番組を通して初めて興味を持ち、また感動しました。彼の作品の多くは宗教画です。その作品はまるで写真のように人々の表情、色、背景が描かれております。「光と影の魔術師」とも呼ばれております。

ここからは、このイタリア人画家カラヴァッジョについて紹介させていただきます。

1571年ミラノで産まれたました。当時大流行したペストにより父、祖父、叔父を亡くし、13歳でフレスコ画家に弟子入りしました。
しかしケンカが原因でミラノを去ることになります。カラヴァッジョは22歳の時にローマのダルピーノ工房へ。24歳のときに『バッカス』でローマ・カトリック教会の枢機卿フランチェスコ・マリア・デル・モンテに才能を認められ、その後『聖マタイの召命』『聖マタイの殉教』で、画家としてイタリア国内で一躍有名になります。

(聖マタイの召命)


(聖マタイの殉教)

しかし短気でケンカっ早い性格が災いし、画家として一躍有名になってからもトラブルを起こし続けました。ローマの警察には10回以上逮捕された記録があります。そしてとうとう35歳の時に賭博がきっかけで友人を刺殺。世紀の画家カラヴァッジョは時の人から殺人犯へと転落してします。懸賞金を掛けられたカラヴァッジョはローマで生活することができなくなり、ヨーロッパ各地を転々とする生活を送ることになりました。

旅先でも作品の制作を続けていたカラヴァッジョは、逃亡先のマルタ島でマルタの騎士団長に絵を贈ってナイトの称号を受けました。しかし再びケンカやトラブルを多く犯しナイトの称号は即刻剥奪。そして投獄されてしまいます。しかし脱獄を図り、イタリア南部のシチリア島へ逃げます。新たな地シチリアでも画家としての名声を得ますが、ここでも喧嘩やトラブルの日々を過ごします。

絵の才能を認められる⇄トラブルの繰り返しの人生。しかし、いつかローマに戻ることを願い恩赦を受けることを望んでいました。しかし皮肉にも恩赦を受けるための旅の途中でカラヴァッジョは病に倒れ、ローマに戻ることが叶わぬまま、1610年に38歳という若さでこの世を去りました。

乱暴な性格ゆえ破天荒な人生を歩み、弟子を取らずにヨーロッパ各地を転々、死後の評価も決して芳しいものではなく、カラヴァッジョの作品が再び見直され高評価が確立したのはカラヴァッジョの死後数十年が経過してからのことでした。

(果物籠を持つ少年)


(洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ)

(トカゲに噛まれた少年)


(エマオの晩餐)

しかし通貨がユーロになる前のイタリア国内の通貨リラの最高額紙幣にカラヴァッジョの肖像画が使われたり、彼の作品(女占い師)が採用されています。殺人という大罪を犯し逃亡した画家が、紙幣のデザインに採用されるのは異例のこと。それだけカラヴァッジョがイタリアの代表的な画家として認められているんですね。

(女占い師)


(当時のイタリア紙幣)

昨年ロンドンに行った時に、生で彼の絵を見ることができました。写真やテレビで見る以上に光と影がはっきりしておりました。暫く絵の前で立ち止まってしまいました。
今年、ロンドンナショナルギャラリーの絵が初めて日本に来ることになりました。
あの絵にまた会える!そう思いチケットを取ろうと公式サイトへアクセス!そして展示の絵の一覧をみたら…..なんと!カラヴァッジョの絵がない!?
彼の絵は日本に来てませんでした。ロンドンにあるとのことでした。
他の絵も素晴らしいですが昨年向こうで観たので満足です。
別の機会に日本へ来ると思うのでその時に観られればと思います。

絵といえば…本日の金曜ロードショーにて「コクリコ坂から」が放送されます。この作品は昭和の東京オリンピック前の横浜を舞台にした高校生の甘酸っぱいストーリーのジブリ作品です。ジブリ作品というと「千と千尋の神隠し」や「天空の城ラピュタ」等人気作が多く、「コクリコ坂から」は少しマイナーな作品になってしまうかと思いますが、是非この機会に観てみて下さい。自分の中で1番好きなジブリ作品です!

横浜といえば…明日、第2回のジョイントコンサートが横浜の二俣川にて開催されます。PH会の定期演奏会とは違った企画やコンテストがありますね!楽しみです。そして9月から11月まではPH会の定期演奏会があります。このような社会情勢ですが音楽だからこそできること何かあると思います。

おしまい。


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