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【メンバー日記】孤高に


楽譜を見るとまず、曲名があります。
そして、テンポの表記がありますね。
その横に、「孤高に」と書いてある。

そんな曲を弾きます。
という訳で、頑張って同じ文字数で三文続けてみましたが、読み返してみて、

「ただ単に格好つけているだけだな」

と思いました。
でも残しておきます←

さて、気を取り直して、今回の日記では来週の武蔵野演奏会で弾く曲の紹介と意気込みを書いていきたいと思います。

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今回の演奏会では、2曲

「アシタカせっ記」
「シャクナンガンピ」

を弾く予定です。スピーチで話すと5分くらいかかりそうなので、その代わりに、それぞれの曲への思い入れを文章で書いておきます。

★アシタカせっ記

映画「もののけ姫」の曲です。
「せっ記」とは、「聶記」と書いて、

「草に埋もれながら人の耳から耳へと語り継がれていく物語」

という意味だそうです。映画の雰囲気にぴったりな言葉ですね。(…この言葉は宮崎駿さんの造語らしいので、ぴったりなのは当たり前なんですが←)

もののけ姫は金曜ロードショーとかでしか観たことがないのですが、観るたびに受け取り方が変わる気がしています。
昔はただ「綺麗な映画だな」くらいだったのですが、半年前くらいに金曜ロードショーで観た時は要所要所で素直に泣きそうになりました。成長したのでしょうか。

この曲はやっぱり、ストリングスの印象が強いですね。「こんな壮大な曲を、ピアノ一台でどう表現すれば良いんだよ…」と原曲を聴くたびに思いますが、取り敢えず「大きく」弾けたらいいなと思っています。

演奏会のプログラムも決まり、私の出番の直前の曲が「アシタカとサン」となりました。映画の最後で流れる曲です。実行委員の方々、やってくれましたね(笑)。
「アシタカとサン」からの荘厳なエンドロール(もののけ姫主題歌→アシタカせっ記)は、いつ観ても感動的で、圧倒されます。

もののけ姫主題歌は残念ながら弾けないのですが、代わりに弾くのが次の曲、「シャクナンガンピ」です。

★シャクナンガンピ

曲名の「シャクナンガンピ」というのは、屋久島の高地にのみ自生する花の名前です。

屋久島といえば、同棲していた家族全員、2回も行ったことがあるのに、私は研究室の都合で1回も行ったことがないと言ういわく付き()の場所です。

「トレッキング大変だった!」とか、
「海が綺麗!」とか、
「料理が(超絶)美味しい!」だの、、、

俺だって行きたかったよ!!!

、、、という話は置いておいて、、、

冒頭の茶番に出てきましたが、この曲、

「孤高に」

と楽譜に書かれています。
屋久島の高地、岩山にポツンと生える、花を咲かせた低木……..

・大自然の静けさ、厳しさ
・すぐにでも消し飛んでしまいそうな儚さ、切なさ
・何としてもここで生き抜くという、凛とした決意

そんな様子と、人の生き方を重ね合わせて作られた曲です。

楽譜に日本語で「孤高に」と書いてあるのはなんか違和感があります。
…が、何度も何度も弾いたり聞いたりしていると、この言葉には日本人にしか分からないような、そんな感覚が込められている気がしてきます。

私はこの曲を聴いて一瞬で「もののけ姫」の情景が浮かびました。
もののけ姫の主題歌は、アシタカのサンへの想いを歌った曲だそうですが、「シャクナンガンピ」はサンの生き方を表現したような曲だと思います。

「孤高」とは、自分でなろうと思ってなるものではなく、その様を外から眺めた時に、他人目線で感じられる雰囲気を指すものなのだと思います。
だとすると、「孤高に弾け、とは一体どう言うことなんだい?」と思いますが、多分、必死に弾けと言う意味なんでしょう。というかそう思いながら弾きたいと思います。

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という感じで、2曲とも「深い」というか、大自然だったり、生命や生き様だったりをテーマとした厳格な曲です。
ただ、ずっと静かで大人しい訳では決してなくて、むしろ物凄く激しい曲だと思います。ずっしり重たい「静」があるからこそ「動」が響くというような…

ペラッペラな人生経験を持つことに定評がある身ではありますが、なんか深い、みたいな演奏が出来ればいいなぁと思っています。
…いややっぱり無理かな、とも思っています。

=== by S.I ===

ピアノ歴:小4〜高2、大学卒業〜現在
好きな作曲家:レフレール
ピアノ以外の趣味:リキュール作り、お菓子作り、お笑いの研究
ひとこと:プログラムにプレッシャーをかけられている


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