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【メンバー日記】戦争の本紹介


8月15日、終戦の日ですね。

戦後70年以上経つと、当時を知る人も減りますし、テレビやニュースからは戦争関連の話題も減っているような気がします。

ということで今回はこの戦争を知るうえで個人的に面白かった本をつらつらと紹介していこうと思います。

ちなみに、こういう歴史の話、特に戦争の話となると右寄りとか左寄りとかとかく思想の話題になりがちなのですが、個人的に歴史のお勉強は横断歩道といっしょで右見て左見て真ん中を歩くのが大切と思っているので、戦争についていろいろ知りたくなったらいろんな本を乱読して見るのをお勧めします

ということで紹介!

〇戦中派不戦日記(山田風太郎)

「魔界転生」や忍法帖シリーズなどの作品を残した作家、山田風太郎の日記です。
当時東京医科大学の学生であった筆者からみた、戦争中の世相が描かれています。戦場に行ったわけではないですが空襲警報で講義が中止になり喜ぶなど今の学生にも共感できそうな心境や、空襲で知人がなくなって明日は我が身と恐怖する気持ちがつづられていたりと当時の市民の声が聞こえてくるような感覚になります。

8月15日の日記は一文のみ。次の日の日記は鬼気迫る思いが吐露されています。

〇日本のいちばん長い日(半藤一利)

戦争は始めるよりも終わらせる方が圧倒的に難しいと言われていますが、この本はまさに「どうやって太平洋戦争を終わらせたか」にスコープを当てた本になります。

キーマンは昭和天皇、鈴木貫太郎総理、阿南惟幾(あなみこれちか)陸軍大臣。戦局の悪化により本格的に戦争の終結を検討するために作られた鈴木内閣がどのような経緯を経て終戦へと導いていったのか、このキーマンの動きを軸に語られていきます、もちろん一筋縄ではいかず、本土決戦を叫ぶ陸軍部とそれを抑えるために苦慮する阿南大臣などあまり歴史の教科書では描かれない終戦の舞台裏をのぞくことができます。

ちなみにこの本は二度映画化されており、アマプラで見ることができます。
1967年版(有料)
http://vps.pia-no.com/etc/s/?x=146032306

2015年リメイク版
http://vps.pia-no.com/etc/s/?x=146032372

個人的にはどっちも好きなのですが1967年版の方が当時の軍人の狂気がより強く伝わってきます。

〇失敗の本質(筆者たくさん!)

戦争の本、というよりは日本軍の組織的な欠陥や戦略の不備を指摘し研究した本になります。あの都知事百合子ちゃんも愛読書として一時期本の帯コメントを書いていました。いや本当に読んでたのか?

陸軍と海軍の連携の悪さ、食糧輸送のロジ破綻、司令部と現場の認識相違など現代日本の組織でもよくみられるような状況が当時の日本軍にも起こっていたことが指摘されています。歴史は繰り返すんだなぁという感想が一番大きかったです。
この本は解説本も出ていますので合わせてぜひ

〇それでも日本人は戦争を選んだ(加藤 陽子)

この本はもともと中高生向けの講義内容を書籍化したもののようです。
太平洋戦争だけでなく、日清日露戦争から初めてどのような経緯で太平洋戦争につながっていったのか、非常に幅広い時間軸で語られていきます。
「統帥権」や「軍部大臣現役武官制」など、日本史の教科書に載っていて戦争の遠因になったものだけどよくわからない、といった厄介な事項もかみ砕いて説明してくれています。

ということで何冊か上げてみましたが、この時期は本屋さんでも戦争特集で戦争を題材にした小説などを平積みにしてくれていたりしているので比較的幅広く情報が得られる時期になります。まぁ戦争や平和について考える機会となると8月くらいしかないかもしれないので興味わいた方々はぜひ読んでみてください~

by R.O

ピアノ歴:小学生6年間、現在~
好きな作曲家:久石譲 ドビュッシー ラヴェル
その他の趣味:日本史、書道、読書、旅行、ゴジラ映画を見ること、在宅勤務中にyoutubeでクラシックと歴史解説動画を聴くこと

なんで俺このTシャツかったんだ?と思うようなデザインの服が出てくることがたまにある。


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