更なる技術、表現、読譜スピード獲得のため、名門音楽院の金賞同期の作品に取り組みました。
キーワード
♪幻想ソナタ
♪39-5
♪42-5
♪ピアノ協奏曲第2番
※作曲家と作品に罪は全くありません。
以下の特性により、どれも形になるまでのプロセスが過酷でした。
・音が厚い
・多声的
・臨時記号も多く、コロコロ変わる
・音の流れが不規則で読みにくい
・左右ともに激しい運動量
・主題のキャラクターが全く違う
など
それらを乗り越えた後の弾き込みは格別に楽しく、地道に時間を投資して良かったな…と心から思えます。心身ともにエネルギーの消耗が著しい分、この1年で総合的に伸びた感覚です。
軽く「留学」の結果を振り返ります。
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幻想ソナタは、特に成長につながった作品。
楽章の通しは人生初で、凪いだ雰囲気と荒ぶった雰囲気の対照性を舞台で表現するのは本当に楽しかった。第2楽章を練習したとき、初めて4分に収まったときの嬉しさを忘れない。
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練習曲2つで、壁にぶつかった。
本番で思った通りに弾けず、演奏直後は凹んだ。1曲あたりの時間は短いものの、本番でエチュードを弾く緊張は相当だった。でも、この2曲に取り組んで、連続して弾いたことに後悔は全くない。
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そして、これは…オーケストラパートすら、挑戦するなんて夢にも思わなかった。
音数は相対的に少ないけれど、他の楽器を鳴らす意識で弾くのは難しく、同時に新鮮だった。弦の弓遣いとピチカート、金管の力強さ、木管の優美さを表現し尽くした…までは全然到達していないが、千秋先輩になったつもりで、楽しい音楽の時間を過ごした。
ガチなピアノパートに楽しんで向き合って、譜面台を外す提案に快諾して、プロと同様のテンポで弾き切った相方に、多大な感謝。
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「留学」の集大成は、演奏だけでなく、その前のトークも衣装も全て気合いを入れて臨みました。多くの方々にお楽しみいただけたようで、最高に嬉しいです。会場に足をお運びいただき、ありがとうございました!
これで清々しく、大好きなラヴェルのいる国に帰ることができます。
実は裏で『ソナチネ』を演っていて、予想以上の速さで練習が捗っています。読譜スピードが向上したことに気付きました。第3楽章のメカニック要素が手に馴染みにくいので、着実に練習を積み重ねたいところです。
あと、「渡独」の計画も立てています。
同じ相方と、メンデルスゾーンの『アンダンテとアレグロブリランテ』を来春目標で取り組むことに決めました。それに合わせて、ソロも平均律とベトソナにする予定です。
ということで、今春も誠にお疲れ様でした!
今季も非常に多くの刺激を受けたので、未来の秋に向けて、また練習に邁進できます。既に来季が楽しみです。
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Y.S
『蜜蜂と遠来』に登場する栄伝亜夜も、のだめと同じくらいファンです。「渡独」を検討するようになったのは彼女の影響。