チャイコフスキーコンクールのガラコンサート@芸術劇場に行ってきました。日頃からクラシックコンサートにはよく行くのですが、あまりにも感情を揺さぶられてこの気持ちをどこかに吐き出したくなったので、日記にぶつけたいと思います。興奮が醒めないうちに書き殴るので、乱文はお許しください笑
今回はピアノ部門2位のドミトリー・シシキンさん、チェロ部門2位のサンティアゴ・カニョン=ヴァレンシアさん、ヴァイオリン部門1位のセルゲイ・ドガージンさんが出演。曲目はもちろんオールチャイコで、ピアノコンチェルト1番、ロココの主題による変奏曲、そしてヴァイオリンコンチェルトでした!どれも素晴らしい演奏でしたが、わたしが昔から大好きな曲でもあるピアノコンチェルトとヴァイオリンコンチェルトについて言及したいと思います(チェロごめん)。
まずピアノコンチェルト第1番。実は大学の時、二台ピアノバージョンでソロの1楽章に挑戦したことがあります。始まりの和音の部分がとにかく大好きで、譜読みの段階から興奮しました笑
ピアノの和音から壮大なテーマへと続き、客席もいきなりボルテージMAXです。わたしが弾いたのとは比べものにならない音色とスケールで(当たり前)初めから圧倒されました。
転調しながらテーマを繰り返し、2楽章が始まります。
実は私は、この曲では2楽章が1番好きです。何度聴いても暖かく優しい気持ちになれるメロディーで、1楽章の時の動悸と息切れが嘘のように穏やかな気持ちになります。それにしてもチャイコフスキーの和音はすごい。
そのまま第3楽章に入ります。もうピアニストのテクニックが炸裂です。こちらも思わず体で拍子を取りながら聴き入りました。
わたしが聴いていた席はオケの左側のバルコニー席でしたが、オーケストラとの距離がとても近く、自分も一緒に中に入って演奏しているような気分が味わえました。普段は1階席か2階の前の方で聴くことが多いのですが、この位置もおススメです!
3楽章の終盤では、曲の盛り上がりとともに思わず涙腺が緩んでしまいました。もう満足。大満足です。
が、しかし。。。
まだヴァイオリンが残っているのです。
実はわたしがこの世の全てのクラシック音楽の中で1番好きなのが、何を隠そうチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトなのです。「オーケストラ!」という映画がありますが、あれもチャイコのヴァイオリンコンチェルトが取り上げられているというだけで大好きな映画のひとつです。
とくにマキシム・ヴェンゲーロフさんというヴァイオリニストが1番好きで、彼のチャイコフスキーコンチェルトをダウンロードして年中聴いています。恐らくこの演奏を超えるものはないと思っていましたが、本日の演奏者の経歴を見ると「マキシム・ヴェンゲーロフに師事」との文言が…!これは期待大です。1番好きな曲というのもあり、なぜか私が緊張しながら演奏を待ちました笑
第1楽章。オーケストラの演奏に続いてヴァイオリンのソロが始まります。あれ、ちょっと重めかな、と思いましたが、一音一音を丁寧に大切に弾いている印象です。強弱がはっきりしていて抑揚もあり、だんだんこのテンポが心地良くなってきました。心なしかヴェンゲーロフの演奏に似ている気もします。
とにかく音が深くてクリアで、高音の響きも素晴らしい。
演奏者のドガージンさんはとても体格の良い方だったのですが、その体をくねらせてパワフルな音を出していました。なんというか圧巻です。
第1楽章で大好きなポイントであるオーケストラのテーマの部分で、予想通り初めの涙腺崩壊ポイントが来ました笑
ドガージンさんもオケパートではニコニコしながらオーケストラの方を向いて演奏を聴いていて、その姿もなぜか泣けました。
ものすごくパワフルな第1楽章が終わり、静かな曲調で第2楽章が始まります。
これまたヴァイオリンの音色が綺麗で素晴らしかったのですが、オケの管楽器のハーモニーもとにかくすごかったのです。とくにオーボエとクラリネットの音色が素晴らしく、これぞオーケストラの醍醐味だなぁと思いながら聴き入りました。
そしてついに、かの有名な第3楽章に入るのですが…
私はこの、第2楽章の終わりから第3楽章に入る瞬間が実は1番好きなのです(さっきから「1番好き」を連呼している気がしてきましたが本当に好きです)。
座っていた席の位置もあって、第3楽章に入る時の指揮者とオーケストラの息遣いが聞こえました。こちらは「来たーーーーーーーーー!!!!!」という感じで、なぜか動悸がおさまりません。
ヴァイオリンの曲の中でも、この曲の難易度は別格だと以前聞いたことがあります。
速いパッセージとオーケストラとの掛け合いは本当に圧巻で、目の前で見ていて鳥肌が立ちました。言うまでもなく既に私は泣いているのですが(笑)、なんでクラシックの演奏はこんなに人を感動させるのか、泣きながら考えてみました。
まずなんといっても、全員が指揮者を見て、同じ方向を向いて1つの音楽を作っているという姿だと思います。ピアノは基本的にソロで演奏する楽器なので、普段1人で弾いているぶん余計に感動するのかもしれません。この中で1つでも楽器が欠けたらこの音楽はできないんだよな、と思うと、今その曲を聴けている奇跡を感じます。
そして、この曲を今日演奏するまでに舞台にいる人達がどれだけ努力したかを考えてしまうのも、感動する要因の一つではないかと思います。
音楽をやっていると、一曲を仕上げるのがどれだけ大変か、どのくらいの時間を練習に費やしたのか、なんとなく分かります。もちろん想像を遥かに超える練習量なのでしょうが、この何十分間にそれまでの努力を全てぶつけているということが人の心を動かすのではないでしょうか。
そしてその曲を作った作曲家もまた、色々な思いや経験を込めて曲を生み出しています。それが何十年と経った今でも脈々と受け継がれ、今私たちの前で演奏されているというスケールの大きさを感じ、より感動してしまうのではないかなぁと思います。
こんなことを考えていたら、あっというまに演奏が終わってしまいました。
最後はもう勝手に涙が出てくる感じで、すっかり心が浄化された気がします笑
やっぱり音楽は素晴らしいです。
来月はブレハッチのショパンのピアノコンチェルトを聴きに行きます。こちらもピアノコンチェルトの中で1番好きな曲なので、今からドキドキです!
余談ですが、コンサートの休憩時間にたまたまプロで音楽をやっている友達に遭遇しました。
コンサートで音楽をやっている仲間に偶然会ったことは、今までにも何回かあります。いつか、このサークルのメンバーにも偶然会うことがあるのでしょうか笑
とっても楽しみです。