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  3. 【メンバー日記】サザンビーチフェスタ2025 ストリートピアノ

どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。

7月26日(土)、筆者は茅ヶ崎市の海水浴場、「サザンビーチちがさき」を訪れました。この日はよく晴れていて、ビーチは多くの方で賑わっていました。ちょうどこの日は、毎年開催されている地域のお祭り「サザンビーチフェスタ」が行われており、今年で22回目とのこと。近年ではストリートピアノがイベントの目玉のひとつになっているそうです。

筆者自身、前日にSNSでイベントの存在を知り、ビーチでピアノが弾けるという貴重な体験に惹かれて、急きょ参加を決めました。自宅からも比較的近い場所ということもあり、まさにちょうど良い機会でした。

会場に到着すると、海水浴場の一角にあるテントに「ストリートピアノ受付」と書かれた掲示が出ており、15時45分の受付開始を前にすでに何人もの方が列を作っていました。このイベントを楽しみにしている方が多いことが伺えます。

受付では、名前と連絡先、そして演奏する予定の曲を記入します。その後は16時のイベント開始を待つ時間。ビーチには特設のステージが設けられており、電子ピアノが1台設置され、左右にはスピーカーも並んでいました。これからどんな演奏が繰り広げられるのか、胸が高まります。筆者はピアノがよく見えそうな場所に立って待つことにしました。ビーチでの守備位置、大事ですからね。

16時、イベントがスタート。司会の方たちがステージ上に登壇します。5人のうち4人は大学生ということで、フレッシュな挨拶に会場の空気が温まりました。

いよいよ1人目の出演者の方の出番。「残酷な天使のテーゼ」の熱い演奏が始まると、ビーチ全体にピアノの音が思いのほかよく響き渡り、拍手と歓声が自然と湧き上がります。

しばらくすると、ピアノのステージ前に自然と人が集まり始めました。ピアノを弾きに来た人だけでなく、海水浴客たちも興味深そうに足を止めて聴き入っており、会場はまさにお祭りらしい賑わいに包まれます。

熱演が続く中、筆者の順番がやってきました。司会の方に名前を呼ばれてステージに上がり、簡単に自己紹介をしたあと演奏へ。今回選んだのは、サザンオールスターズの「希望の轍」です。何を弾こうか迷ったのですが、せっかくこのステージで演奏するのであれば、いつものベートーヴェンソナタよりもこの場所に似合う曲を演奏したいと思い、地元のスター・桑田佳祐さんの曲を選びました。イベント参加を決めたのが前日だったこともあり、当日朝から必死で耳コピをしてぶっつけ本番。練習で鍵盤を触れることすらままならず、内心ヒヤヒヤしていました。

演奏を始めると、海から風が強く吹きつけてきて、それがとても爽快。潮の香りも心地よく届き、強い日差しが照りつける中で、気持ちが高揚してくる感覚。この曲に、この海と空の風景があまりにしっくりときていて、弾いていてとても楽しかったです。

演奏の途中、曲に合わせて手拍子が始まります。その音が少しずつ大きくなっていくのが、なんだか応援されているようで心強く、嬉しい気持ちに。どこからか歌詞を口ずさむ声も聞こえてきて、会場全体が一体になっているような温かさがありました。

若干のぎこちなさはありつつ無事に最後まで弾ききると、ステージ前に集まった拍手をいただきました。一礼すると、司会の方から「本当にこの場所にぴったりの選曲で、聴けて良かったです」と声をかけていただき、自分でもこの茅ヶ崎という地でサザンの曲を弾けたことが、本当に幸せだったなと思いました。改めて会場に向けて感謝の気持ちを伝えてステージを降りました。

その後も素晴らしい演奏が続きました。地元の方だけでなく、遠方からこのイベントのためにやってきた方も多く、子どもから大人まで、貴重な機会を思いっきり楽しんでいたのが印象的です。クラシックを弾く方もいれば、アニソンを弾く方もいて、また連弾、弾き語りなどをされる方も見られ、どの演奏も観客と一緒に盛り上がっている感じがしました。

なかでも、サザンの曲や加山雄三さんの曲はひときわ盛り上がっていて、茅ヶ崎ならではの「地元愛」のようなものが伝わってきたのが印象的でした。

夕方になり、太陽が少しずつ沈み始めると、海水浴の時間も終わりに近づいてきます。ビーチではキャンドルアートが点灯され、波打ち際には赤や緑のライトが灯り、会場は幻想的な雰囲気に包まれました。夜の海というのはやはりロマンがあります。

そんな中でも、ピアノの音が止むことはありません。次々と奏でられる音楽に誘われるように、ピアノの周囲にはさらに多くの人が集まってきます。暗闇の中に響くピアノの音色は、また昼間とは違った味わいがあり、静かに耳を傾ける方の姿も多く見られました。

19時半には、司会の掛け声で会場に集まった全員でカウントダウンを始め、沖合に浮かぶ烏帽子岩がライトアップされると、会場から大きな拍手があがりました。そう、「希望の轍」にも歌われている茅ヶ崎のシンボル的な存在が、夜の海に浮かび上がる光景は、まさにこのイベントのクライマックスと呼ぶにふさわしいものでした。

いよいよ20時が近づき、イベントも終盤へ。最後に登場したのは、2人組の女性ユニットによる連弾。演奏されたのは「情熱大陸」で、その力強い演奏に、会場の誰もが息を呑むようなひとときとなりました。

エンディングでは、司会の方々が今日1日の感想を語ってくれました。「皆さんの地元愛を感じました」「加山雄三さんなど知らない曲も多かったけれど、今日ここで聴けて好きになりました」と言っていたのがとても印象的で、深く共感しました。やはり、参加者の演奏が素晴らしかったのはもちろんですが、この場所の空気の中で、より一層音楽の魅力が引き立つように感じました。

司会の方々が挨拶を終えると、会場は盛大な拍手に包まれました。筆者自身も、「来年もまたこの場所で演奏したい」と強く思いながら、会場をあとにしました。今度は、もう少し練習してから挑みたいところです。

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