PH会のみなさま、こんにちは。
春の定期演奏会、大変お疲れ様でした。名曲揃いで、それぞれの想いを感じる名演の余韻に浸っています。
毎回メンバーさんが動画を撮ってくださるのですが、複数の画角による編集が秀逸で、さながらドキュメンタリーのようです。
本当にありがとうございました。
そんな定演の数日後、ピアノが主題の映画を、ピアノを生業とする友人のおススメで、公開初日に観に行ってきました。
デュオ 1/2のピアニスト(2024・フランス)
ベートーヴェンのテンペストの演奏が予告にあり、この映画のシリアスな雰囲気を醸し出していました。早速ネタバレ(注)になりますが、それはオーディションのシーンでした。私は、選ばれなかった人の演奏の方が繊細で好きでしたが、音楽に正解はないのだと再認識したシーンでした。
−先日のPH会春定演でも可愛い方が華麗に弾かれていましたね♪
テンペストは、1人で弾くには難しかったので、抜粋版を連弾でチャレンジしたことがあるのですが、1人で弾くよりさらに難しかったです!相手の音を聴いて息を合わせるのが本当に大変でした。
なので、実話を元にしたこの双子が挑んだ普通の連弾とも違う演奏の巧みさといったら、、想像を絶する努力と執念の賜物だったのでしょうね。
原題「prodigieuses」は、驚異的、奇跡的といった意味なのが、納得です。
余談になりますが、私はその昔、教養課程の第一外国語がフランス語で、アルバイトで必死にお金を貯めて南仏カンヌに春休み留学し特訓したのですが、、今ではわずかな単語やフレーズ以外すっかり忘れてしまいました!その語学学校のカフェで友達とよくピアノを弾いていたのと、食堂のご飯が美味しかったのは、よい思い出です。
また、作中でフォーレ のパヴァーヌが、悲しみと諦めとかすかな希望の象徴のように演奏されるシーンが出てきます。音楽って、言葉にできない感情を表現するといわれたりしますが、まさにそうだなと思いました。奥深い心の中を、ときに自分でも気づいていない感情を、表すことができるものだなぁと。
−ちなみにこの曲も偶然にも、春定演では男性メンバーが、かっこよくしっとりと演奏されていました♪
フランス映画ならではのあれこれ?や、取り巻く人々の想いなどについても、共感するところのある美しい作品でした。
今回は音響のよい映画館でしたので、演奏シーンの迫力が生演奏みたいに凄かったです。
お時間ある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
ヒューマントラストシネマ渋谷・有楽町 他にて上映中♪
ここで、せっかくなので?私の好きなピアノの出てくる映画を2つ記します。いずれも主題ではなく、サイドストーリー的に音楽が出てきます。
ご興味ある方はお付き合いくださいませ。
1.「旅立ちの時」(1988・アメリカ)
主演のリバーフェニックスの演技が最高です。
音楽の先生に何か弾けるかと言われ、ベートーヴェンの悲愴2楽章を弾き、最後をブルースのようにアレンジするのがかっこよすぎて、真似していました。笑
主人公は後にジュリアード音楽院を受験します。
切なさと希望に満ちた作品です。
音楽教師の娘と2人で、森を抜けて海辺で貝殻を拾う印象的なシーンがあるのですが、最近の音楽をテーマにした映画「コーダあいのうた」(2021・アメリカ)で、音大を目指す2人の、水辺のデートシーンが少し似ていて、オマージュかなと勝手に思っています。
2.「バグダッド カフェ」(1987・ドイツ)
主人公の息子サロモがろくに働かずピアノの練習ばかりしているのですが、後に役立つ時がきます。
バッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻」の第1番が作品全体のテーマになっており、サロモが練習したり、度々登場するブーメランの背景でも流れています。バッハの小さな肖像画がさり気なく飾られていて、招かれざる客ジャスミンがドイツ人でサロモのピアノに理解を示すことにも、意味をもたせています。
こちらはピアノはほんの脇役ですが、他にも見どころ満載で大変評価の高い作品なので、一度は観て損はないと(個人的に)思います。
ちなみに、作中で平均律は、1.2番と5番を練習していますが、私の平均律レッスンも5番まででモチベがなくなりフェイドアウトしましたね。笑
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
ピアノやピアニスト、作曲家などをテーマとする映画はたくさんありますが、みなさんのおススメがありましたら、またぜひ教えてください。
(M.M記)
本日の練習曲♪
マズルカ 第33番・34番/ショパン
ノヴェレッテ 第3番/プーランク