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  3. 【メンバー日記】フォーシーズンズ志木 ストリートピアノ

どうも、T.N.です。今回の日記では、今月新しく設置されたストリートピアノをご紹介します。

今回訪れたのは、東武東上線志木駅前の商業ビル「フォーシーズンズ志木」です。施設名からして渾身のダジャレですね。素晴らしいと思います。ビルの大部分はマルイが占めているのですが、昨年志木市民会館(パルシティ)が建て替えのために閉鎖されたことに伴い、こちらの8階が市民会館仮説会議室となりました。

8階に上がり、施設の事務所へ向かいました。スタッフの方によると、ピアノはフロアの奥の市民ギャラリーに設置されているそうです。申し込み用紙に氏名、住所を書くと、1回10分の演奏枠で弾くことができます。このとき時刻は18時、ちょうどピアノの開放が始まったところでした(開放時間は水曜日12時〜20時と土日の18時〜20時)。先客の方が1人いらっしゃったため、筆者は18時10分からの枠を取りました。

市民ギャラリーに入ると、先客の方が演奏されている最中でした。そこにはヤマハのフルコンサートピアノが鎮座しており、圧倒的な存在感を放っていました。このピアノは元々市民会館のホールで使われていたもので、先述の通り市民会館が建て替えのため閉鎖されたため、新会館が竣工するまでの約3年間、こちらで開放されることになりました。

18時10分、筆者の時間枠が始まりました。いつもストリートピアノではベートーヴェンのソナタばかり弾いている筆者ですが、今回は新しい曲を用意しました。チャイコフスキーの「四季」より「1月 炉端にて」。元々チャイコフスキーのピアノ曲にはそれほど興味がなかったのですが、「志木『四季』を弾く」と言いたいがために、急遽楽譜を購入し練習を始めました。このように非常にしょうもない動機で練習を始めたわけですが、繰り返し弾いているうちにこの曲の温かな旋律に惹かれ、すっかり気に入ってしまいました。

演奏を始めると、その深く響く低音の豊かさに驚きました。壁や天井が近いため、音が反射して体全体に強く響き渡る感じがしました。この曲は繊細なタッチのコントロールが必要ですが、指の力加減の微妙な変化がはっきりと音に現れているのがわかり、やはりフルコンは違うなと思いました。

10分後、次の枠の二人組が現れ、彼らの連弾が始まりました。息がぴったりと合っていて、二人の奏でる厚い音の重なりが室内に響きわたりました。目の前で聴く演奏は、やはりとても迫力がありました。二人に拍手を送ると、一人がこう言いました。

「僕たち、この曲をもうすぐ発表会で弾くんです。今回良さそうな練習場所を見つけたので、気になって来ちゃいました。やっぱり本番と同じようなピアノで弾けるのはいいですね。」

なるほど、確かに本番前に練習しに行く場所としても、もってこいですね。「志木士気を高める」といったところでしょうか。素晴らしい演奏に改めて拍手をして、二人を見送りました。

ギャラリー内は筆者一人だけになりました。その次の枠は予約がないようだったので、もう少し弾きたいと思い、再受付しようと事務所に戻ろうとしました。そのとき、先ほどのスタッフの方がいらっしゃいました。

「この後の枠は予約が入っていないので、次の方が来られるまで自由に弾いていただいて大丈夫です。ぜひゆっくり弾いていってください。」

ご厚意に甘えて、しばらくピアノを堪能させていただくことにしました。次に演奏したのは、3月の定期演奏会で弾く予定のベートーヴェンのソナタ32番2楽章です。本番でホールの舞台上にいるところをイメージしながら、夢中になって弾きました。

しばらく弾いていると、年配の女性の方がギャラリーにいらっしゃいました。

「さっきそこのイベント(※)に参加していたとき、ピアノの音が聞こえてきたんです。それで、どこから来ているのか気になってここに辿り着きました。ここにピアノがあるなんて知らなかったので、本当にびっくりました。もっと色々聴かせてください。」

(※この日は、事務所前で志木市のゆるキャラ「カパルちゃん」のイベントが開かれており、多くの方が集まっていました。)

再び演奏を始めました。先ほどの「四季」の他、筆者のお気に入りのショパン「舟歌」を演奏しました。傍で真剣に聴き続けてくださったのはとても嬉しく、いつにも増して演奏に身が入りました。

2曲を弾き終えたところ、彼女はこう話しかけて下さいました。

「いい演奏を聴けて、素敵な1日の締めくくりになりそうです。すごい贅沢な体験でした。また弾きに来てくださいね。」

彼女にお礼を伝えてギャラリーを後にしました。

それから事務所に立ち寄りました。スタッフの方に素晴らしい楽器を弾かせてくださったことの感謝を伝え、そして記念にカパルちゃんのクッキーと缶バッジのセットを買い、帰途につきました。

また来月も「四季」を弾きに志木に行こうと思います。次は、「2月 謝肉祭」を練習しないといけませんね。

ピアノサークル ピアノを弾きたい!

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