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  3. 【メンバー日記】万博でピアノを弾く!

どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。

5月24日(土)、大阪・関西万博に行きました。この日の大阪は朝からしとしと雨が降っていましたが、それにもかかわらず会場は多くの人でにぎわっており、万博らしい熱気を感じます。

まずは、大屋根リングに向かいます。木組みの巨大な構造物がそびえ立っていて、目の前で見るとそのスケールの大きさに圧倒されました。

早速大屋根リングの上に登って、会場を見渡しながらゆっくり回ってみることにしました。未来的なパビリオンの数々を見るにつけて、気分も高揚してきます。しかし、そうこうしているうちに雨も次第に本降りになってきました。

大屋根だけに、「Oh…やーねー…」とつぶやきながら、雨宿りも兼ねて「クラゲ館」に向かうことにしました。

クラゲ館は、ユニークなオブジェや楽器があちこちにある、遊び心あふれる体験型パビリオンです。建物の真ん中には万人万物のいのちをたたえる象徴「創造の木」がそびえていて、圧倒的な存在感を放っています。木の枝からは、さまざまな「問い」に対するこどもたちの考えや思いが書かれた短冊が掲げられていました。ちょうど筆者が訪れたときも、子供たちがあれこれ考えを巡らせながら夢中になって短冊にマジックで書き込んでいるところで、それぞれが感じたことを、素直に表現しているその生き生きとした様子にほっこりしました。

館内には、さらに「光と音で遊ぶ」仕掛けが散りばめられていました。例えば、押すと光って音が鳴る不思議なゲルや、古いPCなどの廃材を集めてつくったオルガン、大小さまざまな打楽器を自由に鳴らせるコーナーなど…。まさにここは、子どもたちが夢中になって遊びながら、「好き」や「発見」を広げていける場所。音や光、手ざわりを通して世界とふれあうことができる、楽しくてわくわくする空間でした。

そして、館内には1台のグランドピアノも置かれていました。「希望のピアノ」というのだそうです。ちなみに、機種はなんとヤマハのCFXなんだとか。ピアノには、無数のクラゲのイラストが描かれていました。日本中・世界中の子供たちが書いたのだそうです。中には、病気で入院していて万博には来られない子たちの作品も含まれているとのこと。それぞれの絵が、この場所に来られない仲間たちの思いまで一緒に連れてきてくれているような、そんなあたたかさを感じました。

せっかくなので、早速弾かせていただくことにしました。このピアノは消音処理されていて、あまり音量は出ないようになっています。それでも弾いていると、自分自身には鍵盤のタッチや響きの感触がしっかりと伝わってきて、フルコンサートグランドらしい重厚さが感じられました。周りでは子どもたちがそれぞれの感性で遊びに夢中になっていて、そのにぎやかな雰囲気の中でピアノを弾くと、音が空間の一部として溶け込んでいくような不思議な心地よさがありました。まるで自分もこのにぎやかな世界の一員になったような感覚を楽しみつつ、演奏を終えました。

その後、筆者はポーランドパビリオンへと足を運びました。こちらではショパンの曲を楽しめるピアノコンサートが開催されていたのですが、残念ながら今回は抽選で落選。

館内に一歩入ると、ポーランドの薬草のやさしい香りが漂っており、心地よい雰囲気が広がっていました。さらに進んでいくと、壁一面に並ぶ小さなほうきのようなものに目を奪われましたが、実はこちらは「Aura(オーラ)」という伝統楽器なのだそうです。しばらくすると、壁に並んだAuraが一斉に回転して壁を掃くように動き出し、マズルカやポロネーズのリズムを刻みます。伝統と先進技術の融合に驚きつつ、その心地よい音の世界を存分に堪能しました。

続いて、オーストリアパビリオンへ向かいました。館内に入ると、まず目の前にグランドピアノが現れました。天板の裏には、葛飾北斎の「富嶽三十六景」が描かれており、その美しさに思わず見とれてしまいました。こちらのピアノは、ベーゼンドルファーと日本のコラボレーションによる特別な一台なのだそうです。

ピアノに見とれていると、背後からオーケストラの演奏が始まりました。ピアノは自動演奏モードへ。目の前で流れるコンサートグランドとオーケストラの調和――その贅沢な響きを間近で聴ける幸せを、筆者はただただ噛みしめました。

今回万博を訪れて、音とアートの世界に触れられたことはとても素晴らしい体験となりました。本当に来て良かったなと思います。

ピアノサークル ピアノを弾きたい!

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