メンバー日記
ピアノサークルと聞いて、皆様はどんな集団なのかを想像しますか?
ピアノもとい、音楽のサークルと言えば吹奏楽やオーケストラ、バンド活動を行ったり、などを想像される方が多いのではないかと思います。実際、「東京 音楽サークル」で検索を行ってみたところ、やはりピアノサークルがヒットすることは少ないです。
理由は簡単です。ピアノは基本的に一人で奏でるものだからです。
吹奏楽やバンドなどは、一つの音楽として完成させるためにある程度の人数が必要となってきます。そのため自ずと組織が成り立つため、サークルとして成立しやすいのです。逆にピアノの場合は、低音域から高音域まで実に沢山の音をカバーできてしまうため、それ一台で音楽として成立する場合が殆どです。良くも悪くもピアノは孤独な楽器とも言えます。そのため、「ピアノサークル」はある程度の数が存在しますが、殆どの場合存続しにくいと言うのが実情かもしれません。
そんな中、私の所属するピアノサークルはメンバー600人を越える大所帯となりました。
「孤独」であるはずのピアノのサークルになぜ600人!?
そう思う方が沢山おられるのではないでしょうか。世に存在するピアノ(音楽)サークルと、私の所属するピアノサークルに実は決定的な違いがあるのです。まず、殆どの音楽サークルでは、集団もしくは個人で一つの音楽を生み出すことが第一目的であろうかと思います。
例えば、吹奏楽であれば定期公演を行うために皆で時間を合わせ(練習日に合わせて有給をとったりプライベートをリスケすることも多いでしょう)、練習に励みます。皆で作る音楽ですから、自分だけ上手くなるのではなく全員が息を揃えなければなりません。時には、音楽性の違いなどでメンバー同士の諍いがあるかもしれませんが、逆にそれによって大きな連帯感や絆も生まれるものだと思います。
これが集団で音楽を創り上げる素晴らしさなんだと思います。
しかし、この考え方”だけ”をそのままピアノサークルに持ち込むと、組織は長く続きません。理由は簡単です。個々が音楽を完成させることだけが目的となれば「自分の演奏が全て」となってしまうからです。上述しましたようにピアノは基本一人で奏でる楽器であり、連弾でも行わない限りは、それを誰かに干渉することもされることもないわけです。故に一人でピアノを弾く”だけ”であれば連帯感も絆もそこには介在しないことが殆どです。
なぜ私たちのピアノサークルは600人を越える大所帯で運営できるのか!?
いきなり矛盾から入ります。我がピアノサークルは、ピアノだけではなくあらゆるサークルの中でも、メンバー同士の絆や連帯感は抜群に高いと自負します。
理由は。。。。
メンバーがこれだけいるため、個々で感じ方捉え方に違いはあるかもしれませんが、、、、
①殆どの音楽サークル
音楽を創り上げる=100%、もしくはそれに近い。
②我がピアノサークル
音楽を創り上げる=50% 組織を運営し、良いサークルを皆で創り上げる=50%
と考えています。※あくまでこの数字は目安で、人によって異なります。
こう書くと「えー?ピアノサークルなのに運営??」と思われるかもしれません。まず、考えてもみてください。あなたは今、何のためにピアノを弾いていますか?と言うこと。上手くなって誰かに聴かせたい。自分の趣味として充実させたい。色々とあると思います。しかし、そこに結びつく一番最後の答えとしては「人生を豊かにする」ことではないでしょうか。
そして人生を豊かにするためには当然、人との絆が必要なわけです。
「他の誰かがピアノを弾くために自分が頑張る・何かに取り組む」そんな姿勢であれば、例えそれがどんなに孤独な楽器であっても、横の絆は生まれるのではないでしょうか?誰かがピアノを弾く。そのために練習会や発表会の段取りを組み、時には自分の演奏どころではない状況もあったりしますが、逆に自分が舞台で輝きたい時は、その裏で誰かが頑張ってくれている。
だから自分自身も安心してピアノを弾けるし、他の誰かのために頑張って良い練習会や発表会にしたい、そう思えるわけです。
実は私、学生時代に地元でピアノサークルを運営していたことがあります。ただし、ほぼ私一人のワンマン運営であり、他のメンバーは演奏に徹したことが殆どです。私も若かった分、ここまで書き記したようなサークル運営として大事な部分に気付くことはできませんでした。個々が「自分の音楽を昇華させる」ことが全てとなり、結果的に自分”だけ”がピアノを弾きたいサークルになってしまったのです。そうなると、どうしても上手い人ほどそのサークルでの立場が高くなると言う図式になってしまったり、お互いを尊重し合うことが難しくなってくるわけです。。
我がサークルでは、ピアノ歴やその腕前は全く関係ありません。どうしたら楽しいサークルを皆で創り上げられるか、自分以外の他の誰かのことをきちんと考えられるか、そこがとても大事なんだと思います。先ほど、吹奏楽サークルでは一つの音楽を創り出すことが集団での絆に繋がると言いましたが、我がサークルでは発表会を創ることや練習会を運営することがそれにあたるのかもしれません。
実際、私も発表会運営においてある役割・管理を任されました。
その役割に関わる人皆が、嫌な顔一つせず取り組んでくれました。結果的に素晴らしい発表会が完成したものだと思います。また、そこで生まれた横の繋がりは”ただ一人、黙々とピアノを弾いているだけ”では絶対に生まれなかっただろうと思います。まるで仕事の様に聞こえてしまいそうですが、堅苦しいことは実際ありません。
発表会や練習会に、誰がお客様・もてなす側なんてものの区切りはないため、業務中もピアノの話や内々の話で盛り上がることもしばしばです。
「えー!?この人がこんな曲弾くんだ!」とか「あんなに難しい曲弾く人がこんなにおちゃらけてるなんて!」など、相手の新たな一面が垣間見えたりもするわけです。だからこそ、この人の演奏が聴きたい!とか自分の演奏をこの人にぜひ聴いてほしい!と思えるのかもしれません。
私は、そんなピアノサークルに入ることができて、心から良かったと思っています。
ここまで読むと、あなた本当にピアノが好きなの?と思われるかもしれません。
ええ、ピアノはとても好きです。三度の飯より好きですよ!好きだからこそ、同じ楽しみを皆で共有するために、私は来季の運営として頑張っていきたいと思っています。
これから参加される方、今いる方も是非良いサークルにするため力をお借りしたいです。よろしくお願いします!

p.s このメンバー日記を書いてくれたゆっきーさんの三鷹発表会での演奏を一部ご披露させていただきます
無類の音楽知識とピアノに対する情熱はまさにサークルNo.1 ゆっきーさんがサークルメンバーに加わって下さった出会いを心から感謝しています!
代表 ミヤモト