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  3. 【メンバー日記】堺市役所 ストリートピアノ

どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
ここ最近は1都3県のストリートピアノを中心に取り上げてきましたが、今回は約1年ぶりの遠征編です。

今回訪れたのは、大阪第二の都市・堺。難波から南海線で15分ほどの堺東駅に降り立つと、堺の中心市街地が広がっていました。アーケード街やデパートが立ち並び、駅周辺は賑やかで活気があります。

「せっかくに来たさかい

どこか面白いところを探してみようと思い立ち、駅の西口を出て南側へ少し歩いてみました。すると、ひときわ目を引く高い建物が目に入りました。堺市役所です。ちょうど平日の夕方で、退勤時間のようです。多くの職員の方が建物から出てくる中、その流れに逆らうように館内に入ってみました。

案内掲示版を見ると、最上階の21階が展望フロアとして開放されているとのこと。これは行くしかないと、エレベーターに乗り込み、展望フロアを目指しました。

展望フロアに到着すると、広々とした空間に数人の方が思い思いに景色を眺めていました。窓からは夕方の柔らかな光が差し込み、静謐な時間が流れています。

フロアは360°ガラス張りになっていて、堺の街並みを東西南北すべて見渡すことができます。東から南にかけては、街中に点在する森のような場所が目に留まりました。これは堺周辺に数多く存在する古墳群の一部です。その中でも一際目立つのが、「仁徳天皇陵」です。歴史の教科書で見たあの巨大な前方後円墳が眼下に広がり、圧倒的な存在感を放っていました。実際の古墳を間近に見ることができた興奮は、言葉では表しきれないほどでした。

ふとフロアの中心に目を向けると、カワイのグランドピアノが鎮座していました。こんな静まり返った場所で演奏してもいいのだろうかと少し躊躇しましたが、案内を見ると「自由に弾いてください」とのことでした。せっかくなので、演奏させていただくことにしました。

ピアノに触れると柔らかい音が聴こえてきます。タッチ感はカワイのピアノらしく重厚感がありながら、細やかなニュアンスが表現しやすいものでした。音量は程よく抑えられたおかげで、この静かな空間でも周りを気にせず、安心して演奏を楽しむことができました。窓から差し込む夕日に照らされ、眼下に広がる古墳群を眺めながらの演奏は、この上なく贅沢な時間でした。

弾き終わると、近くで街並みを撮影していた年配の男性が拍手を送ってくださいました。一眼レフを手に、眼下の景色を収めていたようです。

「ここはいつ来ても楽しく撮影できるんですよね、時間帯や季節によっても色んな表情を見せてくれるんです」

そう語る彼の表情から、この場所への愛着が伝わってきました。

「でも、ここのピアノを弾いているのを聴くことは中々ないんですよね、今日は特別な日ですね」と付け加えられ、その言葉に心が温まりました。

筆者が神奈川から来たことを伝えると、
「遠くからよく来られましたね、堺もなかなか良いところでしょう?ぜひ楽しんで!」
と笑顔で応じてくださいました。

堺の景色、そして街の人の温かさが織りなすひととき。そんな魅力のある堺に、すっかり惹かれてしまいました。またこの場所を訪れ、ピアノを弾きたいなと思います。

ピアノサークル ピアノを弾きたい!

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