どうも、T.N.です。昨日また素敵なストリートピアノとの出会いがありましたので、紹介したいと思います。
6月12日夜、筆者は青山の「スパイラル」さんを訪れました。
入口からショップやカフェスペースを横目に見つつ奥へ進んでいくと、そこには建物名の由来である螺旋状のスロープに囲まれた、開放感のあるギャラリースペースがありました。その中心には、数々のユニークなアートに囲まれるようにして、木目の美しいピアノが佇んでいました。こちらが今回の目当ての「能登ヒバピアノ」です。6月12日から21日までの平日18時~20時と休日15時〜20時に限り、こちらでストリートピアノとして開放されるということです。
この日は開放初日ということもあってか、多くの方がこのピアノを弾きに来られていました。ただ、すぐそばのスペースでは写真展なども開催されている環境ということもあり、皆さん静かに、ひたすらこのピアノから鳴る柔らかな音色に耳を傾けていました。
順番待ちの間、今回のイベントの主催者の方からお話を伺うことができました。
「このピアノは、元々ヤマハの古いアップライトがベースになっていて、石川県のピアノ工房が能登名産のヒバ材を使ってリニューアルしたものなんです。今回のストリートピアノのイベントは、被災地能登の復興を応援する意味を込めて企画しました。是非、能登への思いを込めて演奏していただけたら嬉しいです。」
筆者の番が来ました。ピアノの前に腰かけ大きく息を吸うと、微かにヒバのさわやかな香りが漂ってくるようでした。1人あたりの持ち時間は5分ということで、今回はベートーヴェンのソナタ30番からダイジェスト版を演奏することにしました。
最初の一音を弾くと、今までに味わったことのないような優しい音が聴こえてきました。他の方の演奏を聴いていた時から何となくこのピアノから生まれる音の素晴らしさは感じ取っていたのですが、いざ自分で弾いてこの音を間近で体感できるとなると、感動もひとしおでした。この音色を堪能できる喜びを噛みしめながら、一音一音思いを込めて演奏させていただきました。
能登、それは筆者にとってはまだ見たことのない土地ではありますが、今回のストリートピアノ体験を通して、「こんなピアノが生まれる場所は、きっと素敵な場所なんだろうな」などと想像が広がりました。またいつか訪れることができればと思います。
最後に、被災地の皆様に一日も早く平穏な日々が戻ることを心よりお祈り申し上げます。