どうも、T.N.です。
「和菓子屋さん」とかけて、「最後にもう1曲」とときます。
その心は、どちらもあんこ売る(アンコール)でしょう。
10月25日(土)、新宿区角筈区民ホールにて、当サークルの定期演奏会を開催します。
今回のコンセプトは「Encore」。出演者の一人ひとりが、それぞれにとってアンコールのように思い入れのある曲を演奏します。メンバー一同、心を込めて準備を進めていますので、皆さまのご来場をお待ちしています。
演奏会の詳細はこちらの特設サイトをご覧ください↓
さて、今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
今回訪れたのは、新宿文化センターです。2023年11月から改修工事のため長期休館していましたが、この10月に晴れて再開を迎えました。
館内に入ると、「おかえり」と書かれた垂れ幕が出迎えてくれました。久しぶりに訪れる新宿文化センター。どこか懐かしい気持ちを抱きながら、ロビーを進んでいきます。
ロビーにはいくつかのベンチが置かれ、来館された方々の憩いの場となっていました。奥の窓ガラス越しには緑の庭が見え、午後の穏やかな日差しが差し込み、ゆったりとした時間が流れています。
この日の目的は、こちらのグランドピアノです。機種はヤマハのG5E。黒地のボディには、精緻な花のペイントが施されており、赤や緑、青などの色彩が控えめながらも上品に映えます。
このピアノは1979年の開館当初から演奏されているもので、かつては合唱練習などで使われていたそうです。2021年からはこのロビーで一般にも開放され、誰でも自由に演奏できるようになりました。改修期間中は休止していましたが、ホールの再開とともにピアノも再び開放されたとのこと。
開放日は毎月ホームページで告知されており、この日はちょうどその開放日にあたっていました。筆者にとっては今回が初めての演奏です。
ピアノの上には小さなカウンターが置かれており、演奏者が一人終えるごとに自分でボタンを押してカウントする仕組みになっていました。この日の開放から4時間ほどでしたが、すでに30人近くが演奏していたそうです。再開を心待ちにしていた方が多かったのでしょう。
筆者も弾かせていただくことにしました。演奏時間は1人5分以内というルール。今回選んだのはベートーヴェンのソナタ30番から1楽章です。
調律したばかりなのか、一つひとつの音が澄んでおり、和音も気持ちよく響きます。鍵盤のタッチも素直で反応がよく感じられます。特に低音域の響きが豊かで、静かなロビーに音が自然と広がっていく様子が印象的でした。演奏を終えると、少しの静寂のあとに温かい拍手が起こり、嬉しかったです。
ピアノのそばには演奏者用のノートが置かれており、めくってみると「再開を待っていました」「また弾くことができて嬉しい」といった、ピアノとの再会を喜ぶ言葉が並んでいました。この場所が多くの人に愛されてきたことがよく伝わってきます。
筆者にとって今回が初めての演奏でしたが、本当に素晴らしい体験になりました。これからもこのピアノが末永く大切に演奏されていくことを願いつつ、その場をあとにしました。