どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
9月19日(土)。シルバーウィーク初日のこの日、夕方になって筆者は、ふと旅に出たくなりました。
さて、どこへ行こうか。
そんなことを考えていると、どこからともなく天の声が聞こえてきます。
(広島でピアノ、披露しましょう)
(広島でピアノ、披露しましょう)
………。
なるほど。
ということで、今回の行き先は広島に決定です。
早速、新幹線のネット予約を確認してみます。しかし、さすがはシルバーウィーク初日。当然のようにどの便も満席です。それでも空席を探していると、なんとかこの日の便を予約することができました。
そんなわけで、まずは広島を目指すことにします。
広島に到着した筆者。この日の夜は、広島名物のお好み焼きをいただきました。香ばしく焼き上げられた生地に、濃厚なカープソースの甘みがよく合います。たっぷりのキャベツと麺も食べ応えがあり、とても美味しくいただきました。
そして翌朝。朝早くホテルを出発し、まず向かったのは、以前から気になっていたサウナです。
白樺の香りに包まれながらたっぷりと汗を流し、朝からしっかりとリフレッシュ。良い一日のスタートを切ることができました。
サウナを後にして、続いて向かったのは広島の中心街・紙屋町です。ここには、「紙屋町シャレオ」という地下街が広がっています。日曜日の朝ということもあってか、地下街はまだ人通りもそれほど多くなく、比較的静かで落ち着いた雰囲気です。
そのまま地下街を歩いていくと、その一角に1台のグランドピアノを発見しました。グランドピアノには、色鮮やかなペイントが施されています。
そばに置かれていた説明書きを読んでみると、こちらは昭和40年代に製造され、かつて広島市内の音楽喫茶で多くの人に親しまれてきたピアノなのだそうです。
そして、被爆80周年などを記念して、広島市立大学の学生によって新たなペイントが施されました。デザインには、戦後の広島で人々に希望と勇気を届けたというベートーヴェンの「第九」のレコードが、花に見立てて描かれています。
長い年月にわたって人々に音楽を届けてきたピアノが、今度は平和への願いを乗せて再び多くの人に弾かれているというのは、なんとも素敵なことだと思います。
筆者も早速、弾かせていただくことにしました。ここでは、ベートーヴェンのソナタ31番1楽章を演奏しました。
鍵盤を押してみると、やや重みのあるタッチで、柔らかな音色が返ってきます。地下街ということもあってか、ピアノの音は周囲によく反響し、空間の中へと広がっていきました。
人通りはそこそこありながらも、辺りは比較的静かです。そんな落ち着いた環境の中で、存分に演奏を楽しむことができました。
演奏していると、通りすがりの男性から、
「いいね!」
と声をかけていただく場面も。
思いがけない一言が、なんとも嬉しく感じられました。
演奏を終えた後は地下街を抜け、続いて近くにある百貨店「福屋八丁堀本店」へ向かいます。
10時30分の開店と同時に店内へ入り、エレベーターに乗って9階へ。こちらには、「SORALA」という屋上庭園があります。
この日はすっきりと晴れ、降り注ぐ日差しも気持ちよく感じられました。9月に入ってからというもの、すっきりしない天気の続く関東で過ごしていたこともあり、久しぶりの晴天がなんとも嬉しく感じられます。
そんな庭園の片隅には屋根のついたスペースがあり、絵本の並ぶ本棚とともに、1台のアップライトピアノが置かれていました。百貨店の屋上にこんな場所があるというのも、なんだかいいものです。もし小さい頃、近所にこんな屋上庭園があったなら、きっとお気に入りの場所になっていただろうなと思います。
こちらでも、早速弾かせていただくことにします。今回演奏したのは、ベートーヴェンのソナタ30番1楽章です。
鍵盤を押すと、明るい音色が力強く響きます。演奏していると、背中には暖かな日差しが感じられ、屋外ならではの心地よさもありました。
開店直後ということもあり、屋上庭園にはまだほとんど人の姿がありません。そんな静かな庭園を独り占めするように、ゆっくりとピアノに向き合える時間は、とても贅沢に感じられました。