どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
※この日記は前回からの続編です。
2月9日(月)、朝6時。まだ外は暗い中、富山市内のホテルを出ました。電車とバスを乗り継ぐことおよそ1時間、氷見市に到着です。
冷たい空気の中、漁港には働く方々の姿があり、朝から活気が感じられました。
その一角にあるのが、魚市場に併設された食堂。ここで朝食をいただくことにします。名物の寒ブリは、今年は不漁とのことで提供はなしとのこと。少し残念ではありますが、普段は行列ができるというこの食堂にすぐ入れたのは、漁港だけにある意味僥倖だったのかもしれません。
注文したのは海鮮丼。採れたての魚は噛むほどに旨みが広がります。一緒にいただいた漁師汁も、しっかりと出汁が出ていて美味しかったです。
贅沢な朝食を堪能したあと、再び電車に乗ってもと来た道を戻ります。
途中の高岡駅で下車し、改札を出ると、ガラス張りの広々とした空間が目に入ります。窓の外には一面の雪景色。差し込む日の光が雪面に反射して、静かにきらめいていました。
その一角にグランドピアノが置かれています。早速、弾かせていただくことにしました。
今回演奏したのは、ベートーヴェンのソナタ32番2楽章。どこか透き通るようなこの曲の世界が、目の前白い景色によく似合うような気がします。
演奏を始めると、グランドらしい深みのある響きが返ってきます。特に低音の芯のある音がしっかりと鳴っているのが感じられます。鍵盤の反応も素直で、細かなパッセージも落ち着いて弾くことができました。
曲の最後、トリルの中に消えゆくメロディを弾いていると、年配の女性が近づいてきて、にこやかに拍手をしてくださいました。
「いまの曲は何ですか?」と尋ねられてお答えすると、「私も昔、エリーゼのためにを弾いていたんですよ」と懐かしそうに話してくださいました。どうしても弾けるようになりたかった、とても思い入れのある曲だったそうで、「今でも当時のことを思い出すんです」と語ってくださいました。
こうして一曲をきっかけに、偶然の交流が生まれる。音楽の持つ力を、改めて感じるひとときでした。
筆者が神奈川から旅行で来ていることを伝えると、少し驚いたような表情を見せつつ、「富山、ゆっくり楽しんでいってくださいね」と声をかけてくださいました。その温かさが何より嬉しく感じられました。
その後、高岡から富山市中心部の総曲輪へ向かいました。「ユウタウン総曲輪」というショッピングモールの一角に、鮮やかなペイントが施されたアップライトピアノが置かれていました。

屋外ということもあり、指先はすっかり冷え切っていますが、ここでも弾かせていただくことにしました。
ここでは、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻第13番を演奏。音量はかなり抑えられていて、周囲にはほとんど聴こえないくらいです。しかし、その柔らかな音色を確かめるように弾いていると、不思議と寒さを忘れて集中できました。平日の午前中ということもあってか人通りはそれほど多くなく、落ち着いた雰囲気の中で緊張せずに演奏できたように思います。
次は、富山駅北口にある音楽ホール「オーバード・ホール」の中ホールへ向かいました。
まだ新しく、とても綺麗なホールです。ロビーを進んでいくと、どこか温かみのある落ち着いた雰囲気が感じられます。ロビーの奥には、アップライトピアノが設置されていました。こちらもペイントが施されており、細やかな筆致が印象的で、思わず足を止めて眺めてしまいます。
ちょうどお昼前で、ピアノの周囲のテーブルには本を読む人やランチをとる人の姿も見られます。とても和やかな空気が流れていました。
ここでも、先ほどと同じく平均律を演奏しました。弾き始めると、音が床や壁によく反響し、想像以上に豊かな響きが広がります。明瞭で芯のある音が返ってきて、気持ちよく演奏することができました。
こうして、2日目の午前中もピアノの演奏を満喫することができました。
【今日の飯テロ】
この日のランチは、富山のソウルフード「もつ煮込みうどん」をいただきました。
味噌の効いたつゆをひと口飲むと、冷えた身体がじんわりと温まります。もつのほどよい弾力と、氷見うどんのつるりとしたのどごしをそれぞれ楽しむことができ、満足の一杯でした。