最近仕事が多すぎるんですよね。忙しいという表現は個人的に嫌いなのですが、まあ忙しいです。こんな時はもう、てきとうに、文章を書き殴りたくなります。
というわけで、どごぞのパプリカ風日記その2です。今回はなんと海外ネタです。
===================
アメリカのデンバーというところにいる。国際会議の展示員をするためだ。ある日突然、展示員をやれと言われて、「まぁいいですよ」と言ったらこうなった。「口は災の元」とは言いますがね。仕事をいろいろ回してくれるのは嬉しいのだけれど、偉い人はちゃんと私の工数とか考えてくれないとアカンのですよ。まあ大体は片付けてやりましたがね。
展示員の準備はまあ何とかなったが、今度は日本に置いてきた仕事が気になりはじめる。気になって仕方がないので、アメリカ帰りの次の日から金沢入りすることになっている。こう言うことやっちゃうのがいけないんだろうね。
はあ、仕事の話なんてどうでもいいんだった。そんなことよりいま、僕の目の前にはピアノが置いてある。場所はコロラド州都デンバーの観光地、16th street の道のど真ん中だ。「これこそまさに、ストリートピアノだね」なんて、てきとうなことを言って笑いたくなるが、そのピアノからはなぜか音が出ている。いや、僕が鍵盤を押したんだったな。
やっちまったな、これはこれで笑える。そりゃあ後悔しないわけではない、が、後悔するくらいなら最初から鍵盤押してんじゃねえよと。もういいか。僕ぁ疲れてるんだ。許してよ。
覚悟を決めてもう一度鍵盤を押すが、ああ、鍵盤が戻らない。真ん中から1オクターブ上は使い物にならない。路上に置いて放っておけばこうにもなるのだろう。ただ、ここまで来て弾かないのは意味不明だ。音出しちゃったのもあるけれど、なんといっても、オフの時間の俺は、ピアニストだからね。
座る椅子もない。鍵盤も戻らない。そんな中で弾けるのはそう、スーパーマリオくらいしかない。基音の1オクターブ上が使い物にならないので、そこを使わないように、いつもより1オクターブ上で弾く。
まぁ、散々だ。身体は動いているが、鍵盤が動いてくれない。調律もズレまくりだ。だが、まあ良いじゃないか。身体を動かして音が鳴るなら楽器は楽器だ。それをちゃんと活かせない私が悪い。それに、弾いている間はなんだかんだ楽しいしね。
弾き終わっても何も起きない。散々だったので、ブーイングが来なくて良かったぐらいだ。ピアノに対してそこまでストイックな自覚はないが、弾き終わってみると、ちゃんと弾けなかったのは悔しい。うん、結構悔しい。色々意見はあると思うけれど、ピアノのせいにするのは良くないと思う。私の稽古が足りなかったということです。まあ、流石に押した鍵盤は戻って欲しいけど。
時間がなくてピアノを練習出来ない理由は沢山あるけれど、だからといって練習しないわけにはいかないよね。当たり前だと言うのに、悔しい思いをしないと気づかない。まったく私って人は、やれやれだぜ。
さて、長かった仕事の修羅場は、出張が終わって一区切りつく。でもどうせまた違う修羅場が始まるんだろうな。仕事は沢山あるし、時間も限られているけど、ピアノもちゃんと弾く。時間がないだけで忙しくなってしまう訳には、心を亡くしてしまう訳にはいかない。そもそも、仕事とピアノ、どちらか片方しかできないのは格好悪いでしょう?どりょくが足りんぞ。
ピアノを弾いて高揚したからか、悔しさで紛れているだけなのか、今日はデンバーの身を切るような寒さが気にならない。最近、忙しいという気持ちになってしまうことが多くて、いっぱいいっぱいになってしまっていたけど、日本に帰ったら、そう、やりたいことをちゃんとやろう。
最後に偉そうなことを言って、この柄にもない日記を終わらせようか。
見てろよデンバーの諸君。次来る時はかましてやるから、調律は済ませておけ。
以上。