メンバー日記
グランドピアノが音を出す仕組みを調べたことはありますか?
なかなか複雑で、私は最初理解できませんでした。
古くからある技術は、最新の技術だけ見るとなかなかとっつきにくかったりしますね。
そんなときは歴史を辿って見てみると分かりやすかったりします。
ピアノの場合は、下記3つの仕組みを追って見ていくと分かるかも…
1. チェンバロ
2. シングルエスケープメントアクション
3. ダブルエスケープメントアクション
【チェンバロ】
チェンバロは弦を弾いて音を出す、ピアノの元となった楽器です。
チェンバロには爪で弦を弾いて音を出す仕組みのため、
弱音が出せない特性がありました。
→ チェンバロの仕組み
(詳細は下記参照)
【メンバー日記】ピアノはなぜ弾くのではなく叩くのか
チェンバロの特性に不満を持ったバルトロメオ・クリストフォリが弱音が出せる仕組みを発明しました。
→ シングルエスケープメントアクション
(当初の名前はクリストフォリアクション)
【シングルエスケープメントアクション】
弱音を出すためには、弦に一瞬で力を与え、一瞬で弦から離れる仕組みが必要でした。
左図の「シングルエスケープメントアクション」では、ハンマーが弦に触れる前に、ハンマーを押し上げていた物が無くなる(右側に落ち込む)為、ハンマーが弦に触れた後、一瞬で離れることが出来る様になっています。
ただ、シングルエスケープメントアクションには、連打ができない欠点がありました。
その欠点に不満を持ったセバスチャン・エラールが連打ができる仕組みを発明しました。
→ ダブルエスケープメントアクション
【ダブルエスケープメントアクション】
シングルエスケープメントアクションでは、鍵盤を一定まで押し込むと、それ以上ハンマーが鍵盤操作で上がらないようになる仕組みになっていました。
その仕組みによる欠点として、連打したい時でも鍵盤を一定まで戻さないとハンマーが弦を再度叩けない構造になっていました。
「ダブルエスケープメントアクション」でも鍵盤を一定まで押し込むと、それ以上ハンマーが鍵盤操作で上がらなくなる仕組みは同じですが、連打するときに戻さないといけない鍵盤の幅を出来る限り短くした仕組みです。
可動部を2つ用意し、バネの力で動きに差を付ける工夫がされています。
→ 右図参照
かなり複雑ですね。
この仕組みが、88鍵並んでいるグランドピアノの画像などは圧倒されます。

ちなみに、アップライトピアノの仕組みはシングルエスケープメントアクションを縦にした感じの仕組みです。