私のピアノの先生との付き合いは、かれこれ30年になります。
4歳から現在に至るまで同じピアノ教室に通い、先生を変えたことが一度もありません。
習い始めたばかりのときのことは、子供でしたしまったく覚えていません。
おそらく母に連れられて教室に通ったのでしょう。
先生ご自身も二児の母親で、いつも穏やかに優しく、厳しいことは一才口にせず、それでいて生徒たちを甘やかすわけではありませんでした。
たった一度だけひどく怒られたことがあり、私の悪ふざけが原因だったのですが、その怒られた記憶は今でも残っています。
一日中レッスン室に閉じこもる生活を送っている先生なので、外は雨が降っていることにも気づかないくらいに孤高の人です。
野良猫の世話をやくのが日課のひとつで、野良猫がいつのまにか飼い猫となって我が物顔で家に出入りしていました。
その猫たちも今では代替りしていることでしょう。
よく、「あなたはどう弾きたいの?」と言われます。
子供の頃は先生の言う通りに弾いていれば良かったのですが、あるときからは指示を出されなくなりました。
見本として演奏して下さるときもありますが、「あまり言ってしまうと良くないから」と参考程度にとどめ、決して先生の弾き方の真似をさせることはありません。
そのため先生から教わるのは練習方法がメインです。
弾きにくい個所など私が困っていると、どのような指の練習をすれば克服できるのかを教えて下さいます。
30年の付き合いですと、もうツーカーです。
何も言わなくても、ここが弾きにくいのでしょうと見抜いてしまわれるので、とても安心出来ます。
病気や怪我をしてもレッスンを休むことはほとんどなく、体調管理にはとても気を配っていらっしゃいます。
それでもたまに不安に思うこともあります。
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先生、
いつまで私の先生でいて下さいますか・・・
I hope you’ll be my teacher as long as I live.
by M.N