今回の武蔵野発表会における撮影班班長、
Yさん謹製の編集版があがり、
自身の記憶、未編集版、編集版を通して次の演奏につなげるため、
ダメはダメ、良いは良いと自主反省会を開くことにしました。
まずはYさん、忙しい中ありがとうございました!
包み隠されぬ録音のおかげで、しっかり反省会が開けます。
今回の演奏会では、演奏する際の
「聴覚情報」と「視覚情報」を確認したいと思っていました。
おかげで、他の人の技術も含め、色々なことが確認・勉強できました。
個人的には、例えばカプースチンのように音に酔う風景を廃したような演奏をゴールと考えています。
聴覚主体のはずの音楽で、見た目に左右される。
例えば、演奏そっちのけで、外見でもてはやされたり。
例えば、障害で下駄をはかせてもらったんだろうという心無いツイートだったり。
主題以外で全てを判断しようとしてくる理不尽。
出来る限り、それを廃したい。。
ではこれより反省会に入ります。
一言で言うなら、不死鳥のごとき演奏でございました。。
よかった部分と悪かった部分を挙げてみましょう。
ただし、ミスタッチは無視します!
(第6部3:19~10:34)
悪い
おとぎ話Op51-2
3:19~;オープニングのエコー部が出すぎて遠近感に欠ける
ペダル操作でも改善の余地がありました。
3:32~;加速がぎこちない
頭の中の拍取りが緊張で崩れたことが悔やまれます。
3:46~;右手がつぶれがち
基礎練習が必要ですね。
4:08~;「雑」
fになっても落ち着いて力まない。
4:25~;左右のバランスが崩れる
声部の複雑さにとらわれず、出したいところをまず意識せねば。
(その曲を知らない人にも伝わるよう)
4:31~;落差に乏しい
そこまでのdim.で恐れずソフトペダルも利用すべきでした。
4:37~;左の主題が埋もれがち
ここのチェロっぽさが魅力の一つなのに・・・
ペダルに頼らない形に変えてみましょう。
5:02~;テンションが曲に引っ張られすぎ
結果、横揺れによる視覚のブレがミスタッチを呼びました。落ち着け。。
5:40~;dim.が甘い
直前のfによるテンションを引きずりすぎ。切り替え大事。
5:47~;ペダル多用で間延び&1回目との対比が甘い
本来なら息の長いメロディーに、拍頭に置かれた息も絶え絶えなバス、
という対比があるのに・・・。
5:50~;右の装飾音が鈍い
基礎錬ですね。左のメロディーに集中しても制御できる余裕を。
6:03~;多声感がイマイチうまく出せていない
ペダルの使い方を再検討。
6:23~;減速すべきか迷ってる
本番なのだから、決然とした意志を。
6:46~;ペダルの切り方が雑
尺を気にしたとはいえ、もう少し落ち着くべきでした。
おとぎ話Op51-3
6:49~;主題の右手装飾音が雑(これ以後すべて)
バチンと切る、そっと置く、途切れるなど切れ方の基礎練習が不足。
7:02~;2度目の主題前のブレスがない
こなすこと、が頭をよぎっている。そんな時こそ深呼吸の意識。
~7:22;ソフトペダルがべた踏み
うまく聞こえず、使い方に混乱をきたした。
定期的なグランド練習も視野に入れるか、もっと聴く余裕を身につける。
7:50~;右の装飾音がつぶれすぎ
新たな運指に気付き、瞬間的に迷った。
練習の段階で「従来」に捉われず、より検討を重ねる。
8:11 ;唯一、ミスタッチで痛恨。
メロディーを歌うことに意識を向ける余裕があれば、防げました。
10:29~;「終わり方」への迷いが出すぎ
組曲中の3番、という意識と、この演奏での終わり、という意識が混線。
ここはもっと先に決めるべきでした。
良い
おとぎ話Op51-2
3:19~;気弱な自分としては、しっかり入れた
3:40~;響きに埋もれた中から「残るもの」だけ残る感じは出せた
3:46~;初めて聴く人がほとんど、という意識から(ここは)主題を出せた
4:15~;メトネルの特徴、「音を残す」がうまく出せた
4:33~;同上
4:44~;苦手のブレスが比較的うまく取れた
5:18~5:3?;激しいミスタッチの嵐を意にも介さず、流れを止めなかった
5:35~;多声の主張が出来た
5:46~;前述のとおり、「音を残す」がうまく出来た
6:03~;(意外と)ソフトペダルをうまく使えた
6:14~;直前の音形と区別でき、次のメロディーにつなげる音を残せている
6:43~;個人的に柔らかな音をうまく出せた
おとぎ話Op51-3
7:30~;同様に、「音を残す」がうまく出来た
8:30~:同上
9:50~;左がオクターブ下から弾きだしたのに落ち着いて対処できた
3番の方が慣れていることもあり、まだ「こうしたい」を出せました。
そして全般で一番悔しかったこと。
それは、爪の音。
雑音を減らすために、指を寝かせるフォームを追及したのに、
その状況下でも力みで指が立ち、爪が鍵盤にあたるという。
(録音では弦から音を拾ってるので、爪ノイズが相当軽減されています)
これは筋力低下(加齢と練習不足ですね)により、
イメージより音が立たないことにより力んでしまい、
指を無意識に立てる頻度が高まったことが敗因でしょう。
目下の目標は、ホロヴィッツのような指パタパタ奏法を思い出すことです。。
カムバック、「掌の感覚」!!!