ピアノを運ぼうという無謀な挑戦を始めてからはや2年が経ちました。全く一体なんてことをしていたのでしょう。思えばあの頃は、社会人になりたてホヤホヤで社会のことをナメていたのかもしれません。
しかし、しかしです。世の中の厳しさを感じながら(?)チャレンジし、なんとか実現まで漕ぎ着けることが出来たのです!これは私史上的に偉大な一歩と言えるでしょう。その時の血のにじむ努力の記録を下記のリンクに上げておきましょう。
頑張って偉大なことを成し遂げた風な大袈裟な文体で日記を書き出してしまいました。実際は、やった実績は作れたけど、非常に不恰好で実用性皆無のものが出来てしまいました。
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そして全前回の日記から一年以上経った今日、実用性面を大きく改善した持ち運びピアノの最終形態(暫定)を紹介します!
実際のモノをお見せする前に、持ち運びピアノの実用性を大きく下げる要素について説明します。
1. 重い!
2. でかい!
(箇条書きにする必要はあったのでしょうか。)
まず、重いです。88鍵フルサイズの上、ペダル、電源などを追加すると20kgを越えます。20kgくらいだったら人を担ぐよりも楽だと思われるかもしれませんが、ピアノというのはでかくて持ち運びにくいのです。20kgくらいの自分の身長と同じくらいの箱を持って歩くことを想像してみて下さい、、、といっても想像つきませんよね。こればっかりはやってみないと分からないかもしれません。
これらの問題を体力によってゴリ押ししようとした結果、精神的なタフさは手に入れましたが、肉体的にはなかなかのダメージを受けるという結果になりました
さて、どうやってこの2点を解決するか、です。実ははるか昔、紀元前の時代、既にその答えは出ていました。そう、「車輪」です。流石は古代人。何千年も前からピアノを運ぶことを見越してピラミッドを作ったりしてたんですね!!(違います)
車輪を使うことを思いついた当初は台車にピアノを括り付けたりするのかなぁなどと思っていましたが、何と、海外には88鍵サイズのピアノを運ぼうと考える輩が私以外にもそこそこいるらしく、キャスター付きのカバンが商品として存在します。ちょっとお高いのですが、会社で表彰されてお金を貰ったりしたので思い切って買ってしまいました。
そのキャスター付きカバンを使って完成した持ち運びピアノがこちらです!
特にびっくりするような外見ではなく、何というか「想像通りの形に落ち着いた」と思われるかもしれませんが、失敗して痛い目にあった私の身としては、この姿に落ち着いて感無量であります。写真だと88鍵ピアノを縦に置いた時のデカさと質量が伝わらないのが残念ですね。一緒に写っている私の身長が大体173cmなので、小柄な女性の身長くらいあります。
よく見ると、これだと電子ピアノのステージが収まらないということに気がつくかもしれません。が、キャスターにすることで肩は空くので、前回はピアノを入れていたカバンにステージだけを入れて担げば解決です。
……苦難の末に作り上げた、もはや愛着のある持ち運びピアノを前にしては言いにくいのですが大事なことなので言っておくと、キャスターで運んだとしてもまだかなり重いです(このキャスター、キーボード用らしく、説明書に最大積載量12-13kgとありました…完全にスペックオーバーなのですが実力で動かしてます…)。また、電車の中など移動していない時は写真のように立てて置いておくことになると思うのですが、これがまた不安定なので、支えるためにある程度の体重が無いと危ないと思います。
「え、それじゃあ結局実用性がないじゃん!?」と思ったそこのアナタ、全くもって仰る通りです。でも頑張ったので許してください。。。
そう言えば、出張などでホテルて弾く場合など、電源がなくてもいい場合は、それらを抜いて代わりに衣服を積むことができます。ほら、やっぱり実用性あるじゃないですか←←←
それはさておき、実用性が未だに無いとはいえ、覚悟と勇気と体力があればピアノを運べるようにはなりました。不可能では無いと言うだけで、大きな進歩と言えるのではないでしょうか。
ちなみにこれ、出張の時に会社に持って行ったのですが、しっかりと偉い人に見つかって、完全に呆れた声で「大したもんだね」というお言葉を頂きました。さらに忘年会にも持って行って演奏して沢山の偉い人に見つかり、「忘年会にピアノを担いでくる奴なんて見たことがない」というお言葉を頂きました。もちろん私も初めて見ました。
何はともあれ、同じ部署の方々には、ピアノが好きだと言うこと、そしてピアノを実際に運ぶと言う(多分悪い意味で)只者ではない感を伝えることができたのではないでしょうか。私の部署の人は優秀な上に、「お前本当に会社員かよ!?」と言いたくなるようなキャラが濃い方ばかりなのですが、その中でもピアニストキャラとしての地位を確立することができたと思います
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勢い余って“最終形態”と書いてしまいましたが、日記を書いていくにつれてマイナーチェンジしたいポイントが出てきてしまったので、取り敢えず本作をversion_1.0としてまた改善していきたいと思います。
最後に、万が一、ピアノを運んでみたいと思っている方のために、
「ピアノを持って行くならば、持って帰らなければならない。」
という意味深な迷言を残して終わりたいと思います。