私の部屋には、まだ読んでいない、いわゆる「積読本」が大量にある。
購入する本の冊数が、既読になる本の冊数を凌駕していくため、積読本は減らないどころか増加していく。
そのうち読むから、出版業界への貢献になるから、などと様々な理屈をつけて、現実から目を背けていた。
が、ここ数年で何度も引っ越しをすることとなり、この所有本の多さにうんざりしてしまった私は、ついに電子書籍化しようと心に決めた。
これまでも、電子書籍での購入は検討したが、紙媒体の本と比べて価格的なメリットが小さく感じられ二の足を踏んでいた。そもそも、アマゾンや楽天が消滅してしまった場合、kindleやkoboにダウンロードしている本は守られるのだろうか。そんな不安もあった。
しかし、そんなことを言っていられないくらい引っ越しの負担が大きかった。これからも何度も引っ越す必要があると思われる私の人生で、本は邪魔者になることは間違いない。
一度、アマゾンからkindle本を購入してしまうと、これまでの拘りが嘘のように、kindle本を買うことに抵抗がなくなった。kindle端末やkindleアプリでの読書は、老眼が始まっている私には非常に快適で、端末1つで所有している本を持ち運べる利便性に今更ながら舞い上がっている。
今は、持っている本をどんどん電子書籍に変え、紙の本はオークションで売りさばく日々である。
ここに、例外となるものがあった。楽譜である。
本に負けず劣らず、一生かけても弾ききれない数の楽譜がある。そもそも技術的に一生弾けないと思われる楽譜も多い。それでも、持っているだけで満たされた気持ちになってしまう私としては、手放すことができず、部屋の中で大きなスペースを締めているのである。
私は、楽譜まで電子化する気にならなかった。iPadレベルの大きさの端末に映し出された譜面を見ながら演奏するのは、ただでさえ技術的な問題がある私には至難の業だし、楽譜には色々と書き込みをしたくなるもの。
これからも、重たい楽譜をえっちらおっちら運ぶ自分の姿が容易に想像できる。
<追記>
デバイスが高価ではありますが、電子楽譜【GVIDO】というものもあるんですね。