どうも、IT講座担当くんです。 ※別に、任命された、とかでない。
たまには役に立つ記事を書こうと思い、需要があるか不明であるがIT講座を開講する。分からないことがあれば遠慮なく質問して頂きたい。
断っておくが私はIT屋さんでも何でもない。記載内容に誤り、偏見、独自の見解が含まれる可能性が多分にあることをご承知願いたい。
今回は使う場面の多い「表計算ソフト」の使い方について解説する。
【はじめに】
当サークルではIT(Information Technology:情報技術)を駆使して練習会や発表会、各種イベントの運営を行っている。と大げさに言ってみたが、システムを使う側としてはそんなに難しいことをしているわけではないので安心して頂きたい。掲示板への書き込みやスプレッドシートの入力などができれば十分である。
驚くべきことに(生まれたときから電気・ガス・水道と同じように情報インフラが存在していたにも関わらず…!)私と同じくらいの世代であっても、IT関係苦手という方は多いことが分かった。もはやピアノを弾いている場合ではない。
微力ながら同じ21世紀を生きる人類としてITスキルの底上げを図りたいと思う。
単純にITの話をすると間違いなく飽きると思われるので、ピアノサークルらしく(?)ピアノと音楽に関する例え話を盛り込むよう心掛ける。
IT関係に興味を持ってくれる方が増えれば幸いである。
【目的】
メンバーのITスキル向上。IT関係に興味を持ってくれる方を増やすこと。
【ITとは】
ITとは何だろう。正直私もよく分からない。恐らくITというのはソフトウェア寄りの話である。しかし私はハードウェアの方が馴染みのある人間なので、まずは計算機科学について解説する。コンピュータの動作についての学問だ。
ITを手っ取り早く駆使したい!という方は計算機科学を読み飛ばして表計算ソフトの章を参照されたい。
なぜなら計算機科学などしらなくてもパソコンは使えるからだ。
【計算機科学(読み飛ばし可)】
IT社会を支える技術を簡単に紹介したい。コンピュータは計算機と和訳される。その名の通り計算する機械だ。ITはコンピュータと切っても切れない関係にあると思う。コンピュータが動作する、ということは以下の2つの概念を知る必要がある。
・ハードウェア
・ソフトウェア
ハードウェアはコンピュータそのものだ。物理的な実体のあるものがハードウェアである。ソフトウェアはコンピュータに対する命令だ。命令を組み合わせることで複雑な動作をさせることができる。命令文のことをプログラムと言う。プログラムは人間に分かりやすい形(文字列)で書かれている。コンピュータは文字列を解釈できない。すべて0と1の世界(機械語)で計算している。
ピアノに例えると分かりやすい。
ピアノ本体はハードウェアである。ただしピアノだけでは音楽を奏でることはできない。
楽譜はソフトウェアである。このように弾くと音楽が奏でられる、という命令文が書かれている。
人間はハードウェアでもあり、ソフトウェアでもある。楽譜に書かれていることを解釈して鍵盤を押す。
プログラムをコンピュータが分かる機械語に翻訳して処理を実行する方法は大きく分けて2つある。1つはプログラムを全て読み込んでから実行できる形に変換して実行するコンパイルである。もう1つはプログラムを逐次解釈して実行するインタプリタである。
私は楽譜を読んで弾けるように解釈(もとい練習)して実行形式に変換し弾くため、コンパイル型のピアニストである。
一方、初見演奏が得意な人は楽譜を逐次解釈して弾くことができるため、インタプリタ型のピアニストと言える。
現代のコンピュータの基本構成について説明する。ただの用語説明なので読み飛ばし推奨である。パソコンであろうとスマホであろうと、基本的には同じである。
機能面で見ると計算機の構成要素は以下の5つで表される。
・入力装置
人間がコンピュータに計算させる際、データを与えるために必要なもの。
・記憶装置
与えたデータを保持しておくもの。
・演算装置
与えられたデータを計算するもの。
・出力装置
計算結果を表示するもの。
・制御装置
これらの装置を協調させて動かすものである。
コンピュータを動かすためにはソフトウェアが必要だ。
・OS
オペレーティングシステム。
人間がコンピュータを扱いやすくするためのソフト。HDDから写真データを読み出して画面に表示して、、などいちいち人間がHDDやCPU、ディスプレイに命令していられない。OSが代わりに命令を管理してくれるのである。
代表的なOSにWindowsやUNIX、Linux、MacOSなどがある。スマホのAndroidもOSの一種でありLinuxをベースに作られている。もちろんOSが搭載されていない機械は山ほどある。
・ソフト、アプリケーション、プログラム
これらの言葉はほとんど同じ意味を持つ。コンピュータへの命令文のことだ。コンピュータの上で動作する道具とも言える。おなじみのExcelやPowerPoint、Chromeなどもソフトである。これらは表計算するための道具、プレゼンテーションをするための道具、インターネットを閲覧するための道具、と言える。コンピュータへの命令文を書くことをプログラミングという。最近では学校現場でもプログラミング教育がされ始めているらしい。
【表計算ソフト(本編)】
前置きが長すぎたがようやく本編である。
ITスキル向上のため、今回はよく使うであろう表計算ソフトについて解説する。もちろん表計算ソフトもコンピュータ上で動作している。
表計算ソフトとは、文字通り表を用いて四則演算や複雑な計算をすることができるソフトである。定番で言えば「Microsoft Excel」「Googleスプレッドシート」「Libre Office」などである。Windowsパソコンを使っているなら購入時からExcelがインストールされていたかもしれない。今回はGoogleスプレッドシートを使って説明するが、表計算ソフトなら基本は同じなのでソフトは何でも構わない。
表計算ソフトを起動すると表が現れる。
この表を構成している1つ1つのマス目のことを「セル(cell)」と言う。cellとは英語で細胞のことだ。
セルには数字や文字列を入力することができる。そして大事なのは"数式"を入力できることだ。この機能のおかげで表を使った計算ができる。
ここで、表計算ソフトの使い方を紹介しよう。
下の例を見ていただきたい。居酒屋で2次会をしたとき、割り勘を求める表を作るところだ。
分かっている情報は「参加人数」、「税抜価格」、「個数」である。
まず、それら既知の情報を表に入力した。
次に各品目の小計を求める。小計は「税抜価格*消費税率*個数」で計算できる。
・絶対参照
消費税率は2020年2月現在、10%である。消費税率をC6のセルに入力した。
この数字を用いて各品目の小計を計算したい。例えばお通しの小計を求めるならE9には「=C9*(1+$C$6)*D9」と入力する。C6ではなく$C$6というのがポイントだ。$が付くと絶対参照を意味する。表計算ソフトは数式をコピーすることができる。このとき気を利かせて参照するセルをずらしてくれるのだ。このとき$が付いているとずれないのである。$C$6はC列固定、6行固定という2つの意味だ。$C6なら列だけ固定、C$6なら行だけ固定になる。
絶対参照はF4キーを押すと設定できる。
・オートフィル
数式を連続した部分にコピーしたいときオートフィルが便利である。上の図ではE9に数式を入力したところである。この数式をE17までコピーしたい。こういうときはE4を選択した状態でセルの右下にある■をダブルクリックする。すると自動でE17まで数式がコピーされる。このとき、先程設定した絶対参照が効いてくる。絶対参照を設定していないと、C6、C7、、と参照するセルがずれてしまうのである。
・関数
表計算ソフトには元々組み込まれている関数が用意されている。学校の数学で教わったy=f(x)と同じように入力を与えると何らかの出力がされる道具のことだ。合計金額を求めるためにSUM関数を用いる。E9からE17の範囲という意味のE9:E17を入力とする。C3には「=SUM(E9:E17)」と入力した。
合計金額が求まれば、割り勘はそれを人数で割ったものである。このように計算させるとこの例では1人あたり2502.5円という結果が得られた。
数式を表示したものが下の図である。
・グラフ
このままでも良いのだが、データを可視化すると物事を違った角度から見ることができる。例えば小計のデータを用いて棒グラフと円グラフを描いた。棒グラフを見ると小計が最も高かったのはビールであることが分かる。円グラフを見ると半分以上が飲み物代であったことが分かる。数字の羅列からは見えてこなかったことだ。
・美学
余談だが表計算ソフトを使うときに大事なことを提唱したい。それは美学を持つことだ。これはなにも、表計算ソフトに限ったことではない。創造的な活動すべてに言えることだと思う。音楽にしてもそうだ。
美しいものはすべてを解決する、というのが私の持論である。
美しいものは基本的に性能が高い。バグが入りにくい。洗練されている。変化に追従できる。。。つまり人間に優しいのである。
表計算ソフトにおける私の美学を一部紹介しようと思う。
・色をなるべく使わない
・計算は流れるように
・複雑なセルの参照はしない
・複雑な計算はしない
・入力箇所は少なく
・…
挙げるとキリが無いが要するにSimple is the bestということだ。
表計算ソフトはとくに性格が出る代物だと思う。美学なくして表計算ソフトをいじるとすぐゴチャゴチャしてしまう。会社の先輩がExcelで大量のシートを使ってフーリエ変換していたのを見て発狂しそうになった。私はMATLABで数行のプログラムを書いて同じことをさせた。
表計算ソフトはちょっとしたデータをまとめたり可視化するのに使う程度で留めておきたい。
ありがたいことに、昨年の江戸川曳舟発表会の準備をしていたとき私が作った"タイムテーブル"というスプレッドシートは春発表会実行委員の皆さんにも使ってもらえている。これも美学の賜物かもしれない。
【今後の方針】
皆さんのITスキルが不明であるので今回の講座が役に立ったかどうか分からない。
IT講座としていくつかのコースを検討している。ご希望があればコメント頂きたい。
1,計算機科学コース
2,UNIX入門コース
3,プログラミング入門コース
4,IT用語解説コース
5,ほか
ITスキル向上が目的であるので、そのために必要な講座を展開したい。
(※冒頭で述べたがIT屋さんではないので、そもそも教えられるのだろうか)
【ITのエチュード(演習問題)】
★初級(かんたんかんたん)
Webブラウザで「IT」という単語を調べてください。
★中級(21世紀を生きる人類)
このページに何個「IT」という単語があるか数えてください。
★上級(ちょームズい!これができたらあなたはITスペシャリスト!)
下記のアンケートにお答えください。
Q1,ITスキルを向上させたいと思いますか?(Y/N)
Q2,日常生活でパソコンを使いますか?(Y/N)
Q3,今回の講座の感想をお聞かせください。(簡単/ちょうど良い/難しい)
Q4,今後のIT講座に望むものがあれば教えてください。
by R.Y.
ピアノ以外の趣味:
鉄道、史跡巡り、ボードゲーム、映画、読書
久しぶりにテニスやりたい(願望)
本業:ピアノを弾くこと。
副業:研究開発エンジニア。光ファイバ通信、レーダ信号処理の研究をやってた。最近は半導体向けデジタル回路設計をやっている。決してIT系ではない、ということを強調しておく。
使える言語:
MATLAB、SystemVerilog(ハードウェア記述言語)
C言語、C++、シェルスクリプト、perl
最近python、PHPを勉強中。