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  3. 【メンバー日記】音楽トーク


当会、やはりピアノサークルと言うだけあって、お菓子作りとかお酒とかそういう話以外にも音楽トークに花を咲かせる場面を良く目にします。と言うか、そっちが主流です。さすがに。

「弾く曲のジャンルは問わない」と言うことで、実際に様々なジャンルを弾く方がいらっしゃいますが、やはりというか、主流はクラシックですね。所々でクラシック曲談義が繰り広げられていますが、「天国と地獄」しかクラシックを弾いたことがない私はニコニコしながら聞いていることしかできません。

しかしですね、
私も一応、弾く曲には思い入れがあって、語ることも出来るんですよ。
まあ、その、相手が居ないだけです…

クラシック以外を語る人ってあんまり居ないんですよね。

と言うわけで、クラシックじゃない曲を、真面目に、紹介をしていきたいと思います。
題材はレフレール作曲の『完璧なお城変奏曲』+1曲にしようと思います。

えー。多分誰も知らないでしょうから、好き放題書いていきます。

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さて、紹介する曲はすべて

『Piano Pittoresque』

というアルバムに収録されています。
「Pittoresque」というのはフランス語で’絵のように美しい’と言う意味だそうです。
言葉には文化が表れると言いますが…芸術表現が豊かで、「さすがフランス」っていう感じがしますね。

『完璧なお城変奏曲』は、ある若い男の半生をテーマにした曲集になっています。

第一楽章 母城
第二楽章 使命
第三楽章 灰色の空の下
第四楽章 マスカラード
第五楽章 ベルスーズ

の5曲編成です。
これらをまとめて一つの物語を形作っている…という思想で作曲されていて、曲それぞれに「あらすじ」みたいなものが設定されています。
曲単体でも聴き応えはあるのですが、あらすじを知ってから聴くと、まるでおとぎ話の世界に引き込まれたような、そんな感覚になります。

と言うわけで、あらすじを紹介しつつ、曲について簡単に書いていきます。

第一楽章 母城

「完璧なお城」に住んでいる少年の幸せな様子を表現した曲で、優雅で明るい曲調です。

曲の開始の最初の一音、最初の5秒が凄く良くて、一瞬で世界に引き込まれます。
3拍子の曲で、立派なお城だったり自然豊かな野山だったり、そんなのほほんとした情景が目に浮かびます。

「毎日どこからか聞こえる、美しい歌声の主を探して、お城を出て旅に出る」

と言う設定で、第二楽章へ続いていきます。

第二楽章 使命

歌声の主を探して旅に出た少年が、様々な受難に遭う様子を表現しています。

非常に低音部が分厚く、また重々しくゆっくりとしたメロディが押しつぶされそうになる少年の様子を表現しています。
まさに「悲劇」という

歌声の主を求めて道なき道をすすんで行く少年は、終に力尽きそうになります。

第三楽章 灰色の空の下

力尽きそうになった少年が、理解者に会う、と言うシーンを表現した曲です。
この曲、副題が「魔女のテーマ」と言うのですが、そこから連想されるとおり、ちょっと怪しげで、得体の知れないような雰囲気を感じる曲です。

「理解者に会う」と言っても、歌声の主を探すという旅の目的に対してはほとんど何も達成出来ていないわけで、そんな少年の不安、そしてそれと戦って前に進もうとする様子が表現されています。

ここで、少年はマスカラード(=仮面舞踏会)に出ることを進められ、実際にそのようになります。
曲の最後では、舞踏会に向かう少年の緊張を表現するように、テンポがどんどん上がっていきます。連弾で良くこれが出来るなぁ…と聴くたびに思ってしまいますね。

第四楽章 マスカラード

「恋に落ちる曲です()。」
この一言で片付くような、情熱的で大人な雰囲気の曲です。
他の曲はなんというか、「叙事的」な感じがするのですが、この曲は感情がかなり表に出た感じです。

この曲だけ、ソロのアレンジが作曲者から公開されていて、ソロと連弾で中々に様子が違って面白いです。

ソロ版は、溢れんばかりの情熱を表現するような、かなり一人称視点的で、感情むき出しな感じです。

一方連弾の方は、舞踏会場を客観的に見るようで、華やかさや整った美しさを感じる一方、随所随所で抑えきれない感情が出てくる、みたいな感じです。
「セコンドがベース、プリモがメロディ」という弾き方ではなくて、二人で同じ曲のメロディ、ベースを弾いているような形になっています。途中から二人で弾くメロディがハモり出すのですが、もう本当に格好良くて…滅茶苦茶ピアノを弾きたくなります(笑)。

この曲は技巧的にも見せ場が多い曲で、レフレールのライブでも良く弾かれる曲ですね。
後半部に向けてどんどん盛り上がっていく様子がたまらないです。

作曲者本人の動画は、これしかないですね。

-M

バイオリンが目立ちますが、それはそれで雰囲気が出てます。

さて、物語的には、ここで恋に落ちた相手と結婚して、二人で歌声の主を探す旅に出ます。
この設定を知ったときは「あれ?」と思いましたが、そこは第五楽章でちゃんと回収されます。

第五楽章 ベルスーズ

完璧なお城変奏曲・最後の曲です。
静かでゆっくりとした曲で、オルゴールを連想させるような曲調です。

さて、歌声の主を探して一人で旅に出た少年。
一人から二人になり、終に、歌声の主の正体を悟ります。

「ベルスーズ」
これは和訳すると「子守歌」と言う意味です。
また、この曲、良く聞くと第一楽章とメロディが似ています。
第一楽章の曲名は「母城」です……おかあさん……

——————
という5曲なのですがすべてを通じてのテーマが

「素朴な、家庭の幸せ」

なんですね。
壮大な曲との対比が、人生というものがいかにドラマチックなのか、と言うのを気付かせてくれます。

楽しい、幸福な時というのは、本当にウキウキワクワクしていたでしょうし、これからの未来に向けて夢膨らませていたはずです。
辛く、苦しい時は「辛い」の一言で片付けてしまうのが口惜しくなるくらい、死んでしまいたくなるくらい悩んで耐えて、乗り切ってきたはずです。
人生での何かの転機に際してだって、頭が痛くなるくらい精一杯悩んできたでしょうし、これからもそうやって悩んでいくのでしょう。

「色んな事に対して、色んな事を感じて、考える。」
音楽を聴くのも同じですが、そんな風にして楽しくやって行けたら良いなと思います。

なんか、やけに壮大な話になってしまいました(笑)。

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エンドロール

完璧なお城変奏曲の直後に収録されている曲です。
変奏曲で紡がれる物語の終演に対して、「めでたしめでたし」と言葉を贈るような、そんな曲です。
レフレールらしくベースがリズミカルながらも、優しく包み込むような曲調で、聴いていて幸せな気分になります。

この曲は珍しく、ライブの演奏動画があります。

-Y

#個人的には、この曲は手拍子が無い方が好きですが…
連弾譜は持っているのですが、やっぱり連弾で弾くからこそ良さが出る曲ですね。一人で弾くのはやめておこうと思います←

と言うわけで、ガチで音楽トークしようと試みたのですが、ものすごく感情的でなんか女々しい感じですね。
恥ずかしいので、人前で話すのはやめておきます←←←

=== by S.I ===

ピアノ歴:小4〜高2、大学卒業〜現在
好きな作曲家:レフレール
その他の趣味:リキュール作り、お菓子作り、お笑いの研究
ひとこと:慣れないことはするもんじゃないとは言うけど、たまに勢いでやってしまいたくなる

ピアノサークル ピアノを弾きたい!

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