どうも、T.N.です。梅雨空けしたとはつゆ知らず。いよいよ夏本番ですね。猛暑日が続きもうしょうがないですが、皆様熱中症にはならないようご自愛くださいませ。
さて、今日も元気にストリートピアノの紹介をしたいと思います。
今回は、船橋駅前の商業ビル「船橋FACE」を訪れました。このビルは、JRの駅と京成の駅の中間にあり、両線の乗り換え通路にもなっています。筆者は休日の夕方に訪れたのですが、とても人通りが多く賑わっていました。空港に向かう京成線のターミナルということもあってか、大きなキャリーケースを引いて歩く方も目立ち、コロナ禍の終わりを感じられました。
2階の京成線側の出口の傍には、ヤマハのアップライトピアノが置かれていました。こちらのストリートピアノは、コロナ禍で長らく休止していたそうですが、この5月に3年ぶりに再開したそうです。
しばらく辺りの様子をうかがっていると、ご年配の女性の方が声を掛けてくださいました。
「ここのピアノが開放されてから、買い物帰りにいろんな方の演奏を聴くのが楽しみなんです。是非弾いてください!」
ピアノ椅子に腰かけると、横から後ろから沢山の視線を感じました。今まで色々なストリートピアノを巡ってきましたが、これほど人通りの多い場所で弾く機会は殆どなかったように思います。少し緊張しつつ演奏を始めました。
今回は、ベートーヴェンのピアノソナタ第31番を弾きました。休止中に管理者の方が調整してくださっていたのか、コンディションも抜群で、弾いていてとても気持ち良かったです。
演奏中、小さな兄妹がお父さんに連れられてピアノに近づいてきました。
「ぼくも弾く!」
「わたしも!」
演奏を終えた筆者は、兄妹に交代しました。2人が仲良く椅子に腰掛けて右手の指1本ずつで連弾している様子は、とても微笑ましかったです。小さなピアニストたちの素敵な演奏に、その場にいた全員が惜しみない拍手を送っていました。
その後もピアノを弾く方は絶えず、大盛況でした。
「英雄ポロネーズ」を完璧に弾きこなす高校生と、彼の演奏を聴いて驚嘆する同級生たち…。
ゲーム音楽のメドレーを弾くお兄さんと、興奮した面持ちで耳を傾ける子供たち…。
「世界に一つだけの花」をカッコよくアレンジして弾くお兄さんと、それに合わせてふな〇しーのごとく飛び跳ねる通りすがりの2人組…。
久しぶりに開放されたストリートピアノは、まさに音楽を通じた人と人との交流の場になっていました。
皆さんの熱演に聴き入っていると、1人の男性が話しかけて下さいました。
「最近定年退職してから趣味を探していたんですけど、先日ここで皆さんの演奏を聴いていたらどうしてもピアノを弾きたくなってしまって。思い切ってレッスンに通い始めたんです。」
男性のお話を聞き、生の演奏は時として人の心を大きく動かすことを感じました。同時に、「身近で演奏を楽しめる場」としてのストリートピアノの力を改めて認識しました。
昨今のストリートピアノ界隈では、利用者のマナー違反による撤去など悲しいニュースが相次ぎました。そのような中、今回こちらのピアノが久しぶりに再開されたのは決して当たり前のことではなく、きっと管理者の方々にとっても大きな決断であったことと推察します。
ストリートピアノが皆にとって心地よい交流の場であり続けるために、私たち自身「ピアノを弾かせていただいている」ということへの感謝を忘れず、演奏を楽しんでいければと思います。
【今日の飯テロ】
船橋の老舗立ち食い寿司店にて。活きの良いネタとお酢の効いたシャリがよく合い、とても美味しかったです。