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【メンバー日記】要町駅・サンシャイン60 ストリートピアノ

どうも、T.N.です。今日も元気にストピ日記を書いていきたいと思います。

6月15日(土)、筆者は池袋のお隣、東京メトロ有楽町線・副都心線の要町駅を訪れました。電車を降りると早速ピアノの音が聴こえてきます。ホームから階段を上がり音のする方に向かうと、改札外にグランドピアノが設置されていて、若い男性がショパンのエチュードを弾いているところでした。その力強くも繊細な演奏に思わず息を呑みます。地下空間ということもあり、音がよく反響してより一層迫力が感じられました。

こちらのピアノは、「としまの純真」という愛称がつけられているそうです。豊島区では、「街なかクラシックプロジェクト」として心地よいクラシック音楽が流れる街づくりを進めており、その一環としてこのピアノが設置されたのだとか。

彼の素晴らしい演奏に心からの拍手を送り、筆者も弾かせていただくことにしました。真っ白のグランドピアノを弾く機会も中々ないので、テンションが上がります。今回も例のごとく、ベートーヴェンのソナタ30番1楽章を演奏しました。ピアノはしっかりと調律されていてコンディションも良く、とても気持ちよく演奏することができました。鍵盤のタッチはヤマハのグランドとしては軽めで、速いパッセージでも楽に演奏できたように感じました。

演奏中、3歳くらいの小さな男の子が、お母さんに連れられてこちらにやってきました。男の子は、興味津々でじっと私の手元を見つめています。演奏が終わると、お母さんと男の子、二人ともに拍手をしてくれました。

お母さんが男の子に聞きます。

「ピアノ弾きたい?それともお兄さんの演奏を聴きたい?」

男の子が答えます。

「もっと聴きたい!」

その言葉に嬉しくなり、筆者は続けて2楽章も演奏しました。弾いている間、彼がじっとこちらを見つめていた姿がとても印象的でした。じっくり聴いて下さった2人にお礼を伝え、その場を後にしました。

その後、有楽町線に乗って2つ隣の東池袋で降り、サンシャイン60へ向かいました。最上階の60階にある「てんぼうパーク」へ行くため、入場券を買い直通エレベーターに乗り込みます。エレベーターでは、仕事仲間と思しき3人組が楽しそうに談笑しているところに居合わせました。これが本当の「サンシャイン」といったところでしょうか。

「てんぼうパーク」に到着しました。エレベーターを降りると、目の前には美しいペイントが施されたアップライトピアノがありました。こちらも豊島区が設置したピアノで、「あおのふるまい」という愛称がつけられています。説明によると、元々このピアノは豊島区庁舎で眠っていたものを、美術作家の植田志保さんがペイントし、ストリートピアノとして再び命を吹き込んだそうです。

ピアノの横には植田さんのメッセージも掲示されていたので、ここで引用させていただきたいと思います。

“あおのふるまい”
ふとした午後に
ショパンの「雨だれ」を
ピアノで聴かせてもらった。

そのときのわたしは
体調がよくない日がつづいていて、
そのピアノ演奏がどれだけ
心身に染みたことだろう。

“あお”く映ったひとつひとつの音の表情。
すべての細胞がひらいていくような
歓喜の瞬間でした。

生のピアノ演奏は
いのちがそのまま弾けていくように
たちまちに心をぐるりと煌きを纏いながら
洗ってくれる。

ふとしたいつかに
ここでふるまわれる音の重なりが
誰かのこころの色と重なり
響き合い

まちへ織りなされて
いきますように。

このメッセージに心を打たれた筆者。早速「雨だれ」を弾くことにしました。ピアノの澄んだ音色が空間いっぱいに広がっていきます。久しぶりに弾く「雨だれ」でなかなか拙い演奏だったように思いますが、植田さんの想いに心を馳せながらこのピアノの響きを満喫しました。

演奏を終えた後は、360°広がるパノラマビューを堪能しました。実はここに来る途中ポツポツと雨が降っていたため景色が見えるか心配していたのですが、幸運にも雨雲の隙間から日差しが差し込んできて遠くまで見渡すことができました。「雨だれ」を弾いた後に見る雨上がりの東京の街は、いつにも増して趣深いものに感じられました。

今回もまた、素敵なピアノと出会えたように思います。皆様も是非弾きに行かれてはいかがでしょうか。
(「あおのふるまい」は来年3月31日までの期間限定の設置だそうです。また11月4日までは展示のみで演奏できないため、弾きに行かれる方はご注意ください。)


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