どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
今回訪れたのは浦和駅。西口を出てすぐ、「中之島地下通路」の階段を下りると、そこには一台のアップライトピアノが設置されていました。艶のある白いボディに猫脚がついたそのデザインはひときわ目を引きます。そして、ピアノには「MAXIMUS」というロゴが刻まれていました。初めて目にするその名前に、興味がそそられました。
到着したとき、ちょうど一人の若い女性がジブリの曲を演奏しているところでした。
「うら若い 女性がいるのは 浦和かい」
そんな一句を心の中で詠みながら、その演奏に耳を傾けます。ピアノの柔らかい音色が地下通路に響き渡り、その空間を優しく包み込んでいました。素敵な演奏に、思わず拍手を送りました。
次は筆者の番です。弾き始めて驚いたのは、まるでグランドピアノを弾いているかのような演奏感です。フォルテの響きの豊かさはさることながら、ピアノで弾いているときのハーフタッチ感までよく再現されていて、自分の表現したい微妙なニュアンスを存分に引き出してくれるように感じました。鍵盤のレスポンスも非常によく、演奏がどんどん楽しくなってきました。
あまりの素晴らしさに感動し、その場にいらっしゃったスタッフの方にお話しを伺いました。
このピアノは浦和にあるピアノ工房「自修浦和音楽館」で製作されたもので、「MAXIMUS」という独自のシステムが搭載されているとのことです。このシステムをアップライトピアノに取り付けることで、グランドピアノと同等の音色やタッチ感を再現できるそうです(こちらのピアノは自修浦和音楽館製ですが、一般的なアップライトにも取り付け可能)。日本とドイツの特許も取った、独自の技術ということでした。
「実はこのピアノ、アコースティックとデジタルの切り替えもできるんです」と、スタッフの方が説明しながら、ピアノに接続されたコントローラのボタンを押して見せてくれました。デジタルモードではスピーカーを通じて音を出すことができるのですが、さらに驚いたのはピアノだけでなく、オルガンやストリングスなど、様々な音色に切り替えられることです。「PCと接続すれば、作曲作業にも活用できます」とのことで、その多機能さに驚かされました。
さらにご厚意で、デジタルモードでの演奏も体験させていただきました。先ほどのアコースティックモードも素晴らしかったですが、デジタルモードではピアノの上のスピーカーから返ってくる迫力あるサウンドも相まって、また違った演奏感を楽しむことができました。
演奏後、スタッフの方はこう言いました。
「グランドピアノを弾きたいという方は多いですが、自宅に置くのはなかなか難しいのが現実です。そんな方にも、グランドに劣らない演奏感のピアノで練習してもらいたい、そんな思いでこのシステムを開発してきました。」
さらに、浦和についても興味深い情報を教えてくれました。
「浦和は『サッカーの街』で有名ですけど、実は『ピアノの街』でもあるんです。一時期、旧浦和市のピアノ普及率は日本一だったこともあります。それだけピアノ文化が根付いていた街ですが、近年ではピアノを置く家庭が減少しています。そんな中でも浦和の街からピアノ文化をもっと広げていきたい、そのためにもっと気軽にピアノを楽しめる環境を提供したいと考えています。」
地域の音楽文化を大切にしながら、新しい技術を通じて音楽を楽しむ機会を広げていく。その強い思いに、筆者も胸が熱くなりました。
こちらのピアノは11月16日から24日までの期間限定での設置でしたが、今回このような貴重な演奏体験ができ、本当に良かったです。また是非弾いてみたいなと思いました。
【今日の飯テロ】
今回浦和に来たもう一つの目的はこちらです。
ふっくらとした鰻の身は驚くほど柔らかく、香ばしい焼き目と上品な味のタレが絶妙でした。
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