どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
今回まずご紹介するのは、ヤマハ銀座店です。
店内に入るとすぐに、1台のグランドピアノが置かれていました。こちらは「C6XA銀座モデル」という特別なモデルです。2010年の銀座店リニューアルオープンを記念して特別に製作されたもので、非売品なのですが、今年は15周年の節目ということで、4月9日から8月25日までの期間限定で展示され、演奏もできるようになっていました。
艶のある上品なボディに、側面には繊細な花の装飾が施されており、見た目にも華やかです。
店員さんに声をかけると、「どうぞ弾いてください」とのことだったので、ベートーヴェンのソナタ30番から1楽章を演奏しました。
象牙の鍵盤には適度な重みがあり、指先にしっかりとした感触が伝わってきます。低音の力強い響きも素晴らしく、音に深みがあり、その場の空気全体が震えているような感覚が伝わってきます。調律もよく整っていて、吹き抜けの空間に音が自然に広がる環境も心地よく感じられました。演奏に合わせて、目の前のステンドグラス風のスクリーンには、花が咲いていくような演出がありました。その演出もまた印象的でした。
ちょうど演奏中にインバウンドの観光客の方々がぞろぞろと店内に入ってきて、ピアノのそばで静かに耳を傾けてくれていました。演奏を終えて周囲を見渡すと、多くの方が集まっていて、拍手をいただきました。
その中の一人が「ショパンが好きなんだけど、何か弾ける曲はありますか?」と英語で尋ねてきました。店員さんにもう1曲だけ短い曲を弾いていいかを確認し、「黒鍵のエチュード」を弾かせていただくことにしました。
演奏を終えると、彼が笑顔で拍手を送ってくれたのが印象的でした。こちらもお礼をして、その場をあとにしました。この場所でのひとときが、旅の思い出の一つになってくれたらいいなと思います。
続いて、ヤマハ銀座店から徒歩圏内にあるストリートピアノをもう一つ紹介したいと思います。2か所目は汐留シティセンターです。
訪れたのは平日の夕方。ちょうどオフィスビルから人々が退勤してくる流れに逆らうようにして、正面玄関から館内へと足を踏み入れました。中にある回転ドアを通ると、その先はオフィスフロアへのエレベーターホールにつながっていました。入ってもよいものか少しためらいましたが、近くにいらした警備員さんに確認すると、「大丈夫ですよ」とのことだったので、安心して進みます。
そこには、木目の温かみを感じるヤマハのグランドピアノが1台置かれていました。このピアノは、平日のお昼休みと夕方の時間帯に限り、ストリートピアノとして一般にも開放されているのだそうです。
ほかに演奏される方はいなかったため、早速弾かせていただきました。今回演奏したのは、ショパンの舟歌です。鍵盤のアクションはややしっかりしており、指にしっかりとした抵抗を感じます。響きは思いのほか落ち着いていて、派手さはありませんが、静かな空間の中で自分の音がじんわりと広がっていく感覚がありました。
時折エレベーターから降りてくる方がいるほかは、館内は比較的静かで人通りも少なく、まるでこの場所を貸し切りにしてもらっているような贅沢なひととき。そんな環境の中で、じっくりと演奏に没頭することができました。
こうした落ち着いた空間で、グランドピアノの響きを存分に味わえる場所はなかなか貴重です。ぜひまた機会を見つけて訪れたいと思います。
【今日の飯テロ】
ヤマハ銀座店の2階にはカフェラウンジがあり、食事を楽しむことができます。この日はショパンも愛したという白身魚とホワイトソースの料理をいただきました。階下の特別展示ピアノから聴こえるショパンの曲を聴きながらいただく食事は格別でした。
【今日の酒テロ】
汐留シティセンターの41階には、東京の夜景を一望できるバーがあります。
季節ごとのカクテルもあり、春にちなんだオリジナルのカクテルをいただきました。日本酒ベースに桜の風味のリキュールが入っていてとても飲みやすく、ついお酒が進んでしまいます。
しかし、いくら飲みやすいからといって空腹時にアルコールを流し込むのは考え物ですね。そこで皆さんにお聞きします。
カクテルを飲むとき、なんか食ってる?