春の定期演奏会、おつかれさまでした!
自分も奏楽堂から3会場足を運び、スタッフや演奏者として参加しましたが、どの 演奏会もそれぞれ素晴らしいもので、本当に素敵な時間を過ごさせていただきました。
ご準備いただいた方々に、心から感謝いたします。ありがとうございます。
3会場とも本当に楽しかった♪
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■四谷会場での演奏曲
さて、先日の四谷会場では、(ダダ滑りしたショートコントのあとで)ショパンのエチュード作品25から、3曲弾きました。
Op.25-1 エオリアンハープ/Aeolianharp
Op.25-6 三度重音/Double Thirds
Op.25-11 木枯らし/Winter wind
それぞれ思い入れがある曲で、憧れだった曲たちでした。今回この素敵な舞台で演奏できて、とてもよかったと思います!
思い返すと、ショパンのエチュードと出会ったのは中学生の頃。
クラスメイトの演奏に衝撃を受け、それから図書館で借りてきたCDを何度も聴きました。一番聴いていたのは、当時名盤と言われていたアシュケナージの録音。以前にも日記に書きましたが、ピアノそしてクラシック音楽にハマるきっかけの一つになったCDでした。
クラシックをよく知らない人のために書くと、ショパンエチュードとはショパンが作った「練習曲」のことで、全部で27曲あります。
そのうち、生前出版されたのが作品10の12曲と、作品25の12曲で、それぞれフランツ・リストと、リストの愛人のダグー婦人に献呈されています。
1曲の長さがだいたい1分半~4分程度と短いこと、耳馴染みがよく親しみやすい曲が多いことなどから、クラシック初心者の人にも聴くのにおすすめできる曲集です。「革命」とか「蝶々」とか、愛称がついている曲があるのも親しみやすいポイントですよね。
そんな感じで、聴くのはとっても親しみやすいんですが、弾くのはまあなんと難しいこと。やってもやっても仕上がらないし安定しない。
■三度と木枯らしの難易度は?
そういえば何人かに、「三度(Op.25-6)と木枯らし(Op.25-11)はどっちが難しいの?」と訊かれました。
以前は、自分的には木枯らしのほうが難しいと思っていました。三度のほうは疲れないし短いし。
が、ピアノのタッチが変わると影響がモロに出るのは三度のほうで、重さや深さが変わったとたんに三度の和音が揃わなくなる。そして日によってというか、その時の手の状態によって急に弾けなくなったりすることもあります。
今回もめちゃめちゃ苦労して練習したのに、本番ピアノのタッチがちょっと違うだけでなかなか酷いありさまになってしまいました。。コンクールで涼しい顔してこれ弾く人はやっぱりすごすぎる。
あとこの曲、そもそも三度のトリルができない人にとって「全く弾ける気がしない。」と思わせてしまう曲ですよね。自分もこの曲にとりかかった当初はそうでした。
ということで、やっぱりOp.25-6は難しいです…!
そんな理不尽の塊のようなこの曲ですが、自分はなぜか昔からこの曲がショパンエチュードの中でも一番好きな曲です。冷たくも美しい響きがなんともいえず魅力的なんですよね(上手い人が弾いた場合!笑)。
対して、木枯らしのほうの難しさはというと、いかんせん音数が多いのと速すぎる。三度とは難しさの質というか方向性が全然違いますね。
メトロノームの指定を守ると、「二分音符=69」。これがどういうことかというと、1分間に四分音符換算で138個ということで、木枯らしの右手は16分音符の6連符なので、138個×6連符÷60s=13.8/s。
なんと1秒間に13.8個の音譜を弾く計算になり、0.1秒に1つ以上の鍵盤を弾いているわけです。なんという音粒の嵐!数の暴力!
そんな素早い動きの中でタコのような指の柔軟性と正確なポジション移動が求められます。超絶鬼畜です。あと、なんでもない「つなぎ」の部分が意味不明に不規則で難しかったりします。
なので木枯らしのほうは、すべての音を正しく弾くのが本当に至難の業です。
ということで結論、どちらが難しいかというと、、質が違うの比較は難しいが、レベル的には同じくらいでは?と思います。
■その他のエチュード
その他、エチュードで自分が手を付けたのはOp.10-3「別れの曲」、4、8、12「革命」あたりです。
これらも含めた個人的体感難易度順は、
エオリアンハープ<別れの曲≒革命<<10-4≒10-8<三度≒木枯らし
といったイメージですかね。
手の大きさによっても得意不得意は分かれそうです。
人気のある「別れの曲」と「革命」について、同じくらいだと思いますが、僅差で別れの曲のほうがやや難しいと感じています。そしてOp.10-4はこれらよりも格上なイメージ。
ちなみにエオリアンハープ以外、これはちゃんと弾けたなと思った曲はありません。どれもどこかでごまかしている。。
あと、以前Op.10-1とOp.25-5は途中まで譜読みしたけど難しすぎて挫折しましたし、Op.10-11なんかは途中まで譜読みする気も起きずに挫折しています。
難しい上にぱっとしない(=コスパ悪い)ことで名高いOp.10-2にも、そのうち挑戦してみようかなと思います。
上記以外で、難易度とかじゃなく純粋に好きな曲を一つ挙げるとすれば、Op.25-7です。ゆったり系の曲で、一見(一聴?)地味ですが、ヴァイオリンとチェロの二重奏を思わせる旋律が切々と心に響く。中学生の頃は見向きもしなかった曲でしたが、大人になるとこういう曲の良さがわかるものなんですね~。
■エオリアンハープ
さて、今回ここで最後に取り上げたいのは、Op.25-1「エオリアンハープ」。
これは弾いたという人多いのではないでしょうか?
この曲は両手で幅広いアルペジオを弱音で綺麗に響かせながら、メロディーやバスの音だけを浮き立たせるように弾くという練習曲で、ショパン自身の愛奏曲でもあったそうです。綺麗な響きで、弾いていて気持ち良いので、自分も昔からよく弾いていた好きな曲です。
ちなみに「エオリアンハープ」の名の由来はシューマンらしいです。が、古いCDではタイトルが「牧童」となっていました。ショパン自身が語ったこの曲のイメージが、「牧童が雨風を避けて洞窟に避難し、そこで笛を吹いている」といった感じだったそうで、それが由来だそうです。今では「牧童」って言う人ほぼいないですよね。
今回、ちょっとした遊び心を入れてみようと思い、オシャレな弾き方に挑戦してみました。
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中声部の適当に選んだ音譜で対旋律を作り出したり、内声を浮かせたり。
カッコつけて自分で難易度を上げにいくということをやる手前、ミスして止まったりしたら逆に非常にかっこ悪いので、ちょっと緊張しました(笑) 外した音もあるけど、まあなんとかなった。
この曲でこれをやるのは自分で考えたのですが、影響を受けたのはピアニストのシプリアン・カツァリスの弾くワルツ7番の演奏です。
演奏のあと、この弾き方に気づいてくれた何人かの人に声をかけられたのですが、それが今回とても嬉しかったことの一つです♪
(あとここでは関係ないけど二次会でのヨーヨーがウケたのも同じくらい嬉しかったです笑)
■おわりに
クラシックピアノの弾きとして避けては通れないと言われるショパンエチュード。
弾いたことがある曲がある!好きな曲がある!この曲をいつか弾きたい!という人も多いと思います。
エチュードについて、みなさんの好きな曲や憧れの曲、演奏に苦労した話などあれば、是非聴かせてください。
それでは、今回はこれまで!
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S.T