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【メンバー日記】ピアノの想い出(その14)


たまにボランティアで行くシニアハウスで、ジブリソングをリクエストされました。ユーチューブでは「事務員G」さんという方が1時間近くにわたってジブリの全曲をピアノ演奏されています。おそるべき力量の持ち主と思っていましたが、既に楽譜も出版され、「月刊ピアノ」に記事を連載されているので、彼はもはやプロというべきなのでしょうね。これには及びもつきませんが、数曲であれば私でも何とかメドレー風に恰好をつけることができました。そうした中で私のいっとうのお気に入りは、「いのちの名前(千とチヒロ)」と「ひまわりの家のロンド(崖の上のポニョ)」です。後者は、久石譲氏の娘さんである藤澤麻衣さんが歌っています。そもそもこの歌に惹かれたのは、麻衣さんの透明で伸びやかな声に心を捉えられたせいでした。この曲の素直で優しい旋律と、シンプルで自然なコード進行が気持ちよく、ピアノを弾いていると何度でも繰り返したくなります。しかしその歌詞(宮崎駿)は尋常ではありません。以下に書き写しますが、これは、なんともすさまじい歌詞です。

もういちど自由に歩けたら 思いっきりお掃除をして
お洗濯をしてお料理を作って お散歩に出かけよう
晴れたら何て明るいんだろう お日様も笑っている
雨の日もスキおしゃれな雨傘 レインコートも着て歩こう
お迎えはまだ来ないから その間にちょっとだけ歩かせて
もういちどだけ踊りたい そよ風になって
お迎えはまだ来ないから 窓のガラスをふくだけでいいの
もういちどだけ踊りたい そよ風になって

「いのちの名前」は、少女の未来への憧れと慄きを描いた生命への讃歌であるのに対し、「ひまわりの家のロンド」は、老境における若々しい生命への憧憬と諦観を描いています。対照的なこの2曲は、ともに若い女性の声がふさわしいと思う一方で、これをシニアハウスで演奏するのは、私自身にとっても身につまされ辛いものがあります。

ちなみに、藤澤麻衣さんの歌は、以下のURLで聴けます。


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