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【メンバー日記】推しメン


PH会で人気の作曲家は、断トツでショパン、2位と3位あたりに、ベートーヴェンとドビュッシーがいる認識です。

ショパンは、今年生誕210周年を迎えましたが、5年に1度のコンクールは、コロナの影響により来年に延期…。

ベートーヴェンは、今年生誕250周年ということで、ラ・フォル・ジュルネの主役を飾る予定でしたが、コロナの影響により中止…。

ドビュッシーは、再来年生誕160周年を迎えます。偶然にも、彼の誕生日(8/22)は二俣川の演奏会と同じ日です。こちらは、コロナの対策を万全にして開催します。

私の神推し作曲家は、今年生誕145周年を迎えました。弾くのは難しいと感じる一方で、聴くのは好きな方が多く、PH会ではまずまずの人気を誇ります。今年春の発表会では彼の作品を演奏する方が急増しました。

今日は、人気度がおそらく上昇しているラヴェルについて語ってみます。

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1.ピアノ作品 一覧

ラヴェルをあまりご存知でない方は、何を作曲したのか、知るところから始めましょう。

音楽に詳しくなくても、『ボレロ』のテーマなら、大抵分かると思います。それだけ広告塔のような存在になっている曲を作った彼は、ピアノ曲を少数ながら精巧に仕上げました。「スイスの時計職人」と例えられるのも肯けます。

ソロ
 ・M.5 グロテスクなセレナード
 ・M.7 古風なメヌエット
 ・M.19 亡き王女のためのパヴァーヌ
 ・M.30 水の戯れ
 ・M.40 ソナチネ(3楽章構成)
 ・M.42 メヌエット 嬰ハ短調
 ・M.43 鏡(5曲)
  ー夜蛾
  ー悲しげな鳥たち
  ー洋上の小舟
  ー道化師の朝の歌
  ー鐘の谷

 ・M.55 夜のガスパール(3曲)
  ーオンディーヌ
  ー絞首台
  ースカルボ

 ・M.58 ハイドンの名によるメヌエット
 ・M.61 高雅で感傷的なワルツ(8曲)
 ・M.63 シャブリエ風に、ボロディン風に
 ・M.65 前奏曲 イ短調
 ・M.68 クープランの墓(6曲)
  ープレリュード
  ーフーガ
  ーフォルラーヌ
  ーリゴドン
  ーメヌエット
  ートッカータ

連弾
 ・M.60 マ・メール・ロワ(5曲)
  ー眠りの森の美女のパヴァーヌ
  ー親指小僧(一寸法師)
  ーパゴダの女王 レドロネット
  ー美女と野獣の対話
  ー妖精の園

コンチェルト
 ・M.82 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
  (単一楽章 3部構成)
 ・M.83 ピアノ協奏曲 ト長調(3楽章構成)

 ※「M.」 ラヴェルの作品目録番号
   M.85まで存在
   (モーツァルトの「K.」と同類)

ピアノがオリジナルの作品は、連弾とピアノ協奏曲を含めて正味45曲分で、全58曲あるショパンのマズルカよりも少ないです。
しかも、適切なテンポで弾けば、1曲(1楽章)あたり全て10分以下!ショパンの作品よりも全曲制覇が現実味を帯びています。(ここでは、管弦楽等のピアノ編曲を除いています)

人気の作品は、M.19とM.30。
最近、M.40(第1楽章)とM.68(プレリュード)も好きな方が多い印象です。

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2.魅力

端的に書くと、
 ・美しくて難しい3曲の水系作品
 ・題名のものを音楽にする表現力の高さ
 ・端正な顔
 ・緻密に計算された絶妙な音の配置と響き
 ・リストと遜色ない超絶技巧
で、特に思うのは、水の表現力です。

M.30、M.43(洋上の小舟)、M.55(オンディーヌ)がそれを象徴しており、個々のキャラが確立されています。


■水の戯れ
 →原題は『Jeax d'eau』、即ち「噴水」です。線対称のフレーズが多く、78小節目からラストまでは、もはやアートです。確かに、人工建造物から鮮やかに放水している絵も想像できますが、私は海の中で水泡やプランクトンが煌めくように戯れている絵を想像していました。

■洋上の小舟
 →葛飾北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』がイメージの源泉となっている作品です。ドビュッシーの『海』もこの版画が由来ですが、ラヴェルは大波に翻弄される「舟」に注目しています。水飛沫まで緻密に表現するこだわりが伝わる水で、手の自然な形に馴染みます。

■オンディーヌ
 →メインは水の妖精『オンディーヌ』の心情です。4種類のテーマが彼女の機微をしっとりと歌い上げています。それを支えているのが、主に32分音符で書かれる「水」です。ドミソの弱音連打、和音が連なるフレーズ、息の長いグリッサンド等、避けたい技術が多く盛り込まれています。


9/27、海のない埼玉で遂に海が見られます!この日限定で、ラフティングもセットです♫
 ※音楽で体感いただくスタイルです。

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3.お薦め

以下巨匠の名演をご堪能いただきたいです。

■指揮者
 ・シャルル=デュトワ
 ・ピエール=ブーレーズ

■ピアニスト
 ・セシル=ウーセ
 ・ルイ=ロルティ
 ・モニク=アース
 ・パスカル=ロジェ

ちなみに私は、セシル=ウーセの演奏する『水の戯れ』に衝撃を受けました。水の心地良い温度感、柔らかく包み込まれる感じ、きめ細かい泡立ち、光のコントラストが素晴らしく、実物に触れているような表現力です。
https://youtu.be/esN6S4iOI1o


また、楽譜を選ぶ時、
 ・デュラン社
 ・音楽之友社 ペルルミュテール校訂版
は定番ですが、全音のピアノ全集も侮れません。

3冊全てにラヴェルの略年表、および2名のピアニストのアプローチが記載。三善晃さん監修。詳細な解説文、図解、フランス語の訳もあり、理解を深める助けになります。

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4.まとめ

推しメンは みんなちがって みんないい
推しが被れば 好きの(争い/分け合い)

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4ヶ月連続の定期演奏会(第1弾)まで、遂に2週間を切りました!10/3の江東も、11/21の三鷹も、熱演揃い必至ですね。4会場とも、芸術の「秋」にぴったりなステージなので、是非足をお運びいただければと思います。もちろん、衛生面には充分注意を払います。

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