8月の新規歓迎懇親会・浴衣練習会に参加した。時折、とても寒い雨の日も訪れはじめる夏の終わりを予感させるような時節であったが、練習会当日はよく晴れた夏らしい日だった。
浴衣練習会ということで僕は甚平を着て行った。いったいどれくらい振りに甚平をクローゼットから取り出したろう。
僕は冬に生まれたからかはわからないけど、冬は好きで夏は苦手。でも夏の花火や縁日はとても好きだった。今はコロナ禍のため、お祭りもないし、花火大会もない。お祭りの屋台の焼きそばだったりりんご飴も食べることができずに、”若干どころかかなり消化不良の夏なんだよな〜”って思いながら、世紀の呪いを厭わしく思うのだ。
練習会に参加するのは2回目だったけど楽しく和やかにみんなと話すのは変わらずに、ただ、全員ではないけど浴衣やら甚平を着てきている人たちがいると、みんなで消化不良なまま終わってしまう夏を名残惜しんでるというか、そういった郷愁を感ぜられた。そのような衣装はその特定の瞬間を特別なものへと変えてくれるようだった。
二次会やら花火大会はコロナ感染の状況を加味して中止となっていたが、下駄で上手く踏めないペダルや鼻緒で痛くなった足だったり、消化不良の夏を疎む気持ちをみんなで共有しつつも咀嚼して、同じ時間のこの季節にピアノを弾いたり対話して過ごしたことがピアノサークルに入ったばかりの僕にはここに於いての悠久の刻のように感じずにはいられなかった。
【Name】: F.S
【Profile】 : 鏡の国でなぞかけ遊び。言の葉の錬金術師。夢の中でエンドレスに繰り返されるエクリチュールオートマティック。恋と希望に満ち溢れた17歳の夏を何度も呼び醒ます享楽的夢想。
【About Piano/Music】: クラシック、ジャズ、ロックなどよく聴くコード弾きピアノ弾き。ギターやパーカッションやったりコーラス、ボーカルもやったりするよ!
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