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【メンバー日記】新年のご挨拶


 少々遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
2017年度4Q(年度の第4クオーターである1~3月)の練習会統括の役を賜りました。
年度の末、新年度の継ぎ目の期ということで身に余る大役でございますが、皆さんが楽しく活動できるよう運営としての務めを全うする所存であります。
もちろん私自身も引き続き活動を楽しみます(^^)

と、少々堅くなりましたので、、、
既に1ヶ月を切りました卒コンの紹介を改めてさせていただきます。
2017年度春の発表会、言うまでもなく2017年度最後の一大イベントですが、同時に来期への架け橋の意味合いがあります。
会が続いていくには一人一人が参加して良かったと思えるサークルであることが重要であり、そのためにメンバー全員の力が結集されることが必須です。
ですので、初心者、上手くなくても、未完成でも構いませんので、できる限り多くの方々に参加していただきたく、度重なるご連絡をさせていただいております。
ステージで演奏するほど完成していないという方もいらっしゃると思いますが、ただステージで演奏してみたい、という気持ちでもご出演いただきたいです。
まだエントリーされていない方、改めて出演をご検討ください!
たくさんの方と素晴らしい発表会を作り上げましょう!

☆以下個人的な話☆
2018年は様々な意味で節目の年となりそうです。
1月:PH会管理人スタート
2月:演奏至難な2曲を連続で弾くという挑戦
3月:人生初のコンクール(全国アマチュア学生ピアノコンクール)
4月:大学の研究室にて卒業研究の開始
7月:大学院入試 (習っていた教室の発表会も日が合えば参加します)
今のところこんな感じです(^^)
まだまだ人生の行方はわかりませんが、少しでも良い結果となるように努力を続けようと思います。
(とりあえず来週ある期末試験(4科目中の2科目)の準備をしないと…^^;)

学業の傍ら、ピアノもまだまだ技術、精度、表現、知識の向上を怠らず、楽しいピアノライフにしたいと思っています。(4万円の電子ピアノをオトモに…)
PH会に入ったばかりのころは、ショパンやベートーベンの曲を弾いて基礎の復習をするつもりだったのですが、一点問題が発生しました。それは、ショパンもベートーベンも弾く人が多く、曲被りが免れないということです。なので私はリストに逃げることにしました^^;
とはいえ、やはりショパンもベートーベンも好きなので、いつかは徹底して弾く日が来るかもしれません(^^)
とりあえず、今年のテーマは自由に編曲できるようになることとします!

長くなりましたが、今年は戌年ということで、ブチ切れて狼のようになってしまった実家のペルシャ猫(ペルシャ一家の息子)を載せて終わりとします( ・∇・)
   

【メンバー日記】演奏グレード4級・結果


わざわざここで恥をさらすこともないのですが、
自分に鞭打つために・笑

去年のクリスマスイブに受けたヤマハピアノ演奏グレード4級、不合格でした
元旦に札幌の実家から戻ったら結果が届いていて、
新年早々がっくり落ち込みました

そもそも私がPH会に入ったのはこの試験のためです
人前での演奏に慣れるため、と
2年ほど前にチャレンジした時は全く及ばずで、
去年は発表会の実行委員長を務めさせて頂いたことを言い訳に、
試験のことは見て見ぬふりしていたのですが

やはり逃げてはならぬ!との再挑戦で、また不合格
・・・前回よりは点数も上がり、追試の資格は取れたとは言え(涙)

科目は、楽曲演奏、初見演奏、即興演奏1(変奏)、即興演奏2
100点満点の75点で合格・・・私は71.5点。初見演奏以外の3科目で、
それぞれ1~1.5点足りない

すべての演奏が終わるとその場で試験官から講評を頂くのですが、
今回はかなり具体的な講評を頂きました
その中に、「課題曲の中盤で音の間違いがあった」と
音の間違い?おかしいな、ミスはなかったはず
緊張していて私がミスに気づけなかったのかとも思いましたが、
やはり気になり、帰宅してから30分くらい楽譜とにらめっこしてみると、
な、なんとありました!!譜読み間違い、一か所!
これで確実にマイナス1点ですね(見つかって良かった・・・)

即興演奏1では転調のつなぎ目のコード付けが曖昧になり
2では音楽が思っていたのと全く違う方向に行ってしまい、
明らかに不安定になってしまいました
合格に足りない3.5点は私の詰めの甘さ

即興演奏は元々苦手なので仕方ないのですが、
2回目で楽曲演奏が75%取れないのがショックで

今回、用意していた自由曲3曲から指定されたのは、
バッハのイギリス組曲3番のプレリュード
これは試験官によれば3級でも通用するらしく、
ショパンの幻想即興曲より難易度高い扱いとは知らなかった
これが1,2か所指がブレてしまって
試験だもの、せめてノーミスで弾かないと!
そんな当たり前の事に対しても準備不足でしたね

久しぶりに子どもの頃の気持ち思い出しました
コンクールの予選で落ちまくって劣等感の塊になっていた私

・・・でも今は。やりたくてやってるんだし
あと3.5点。初見演奏以外の3科目で追試を受けます

今年の目標がおのずと決まりました
まずはこの演奏グレード4級。次は指導グレード3級

頑張るぞ~~~!!!

【メンバー日記】三島大社と駿河湾クルーズに☆


あけましておめでとうございます!

今年のお正月は、バスツアーで、三島大社と駿河湾クルーズに行って来ました。
快晴続き、寒いけど、出かけるには絶好の天気でしたね。

昨年は高齢者になったので、”未来はあと15年?♪”と言ったりしてたけど、今年は「自分の残りの時間を、日記(のタイトル)で数えることは止めたい。」と思います。

自分で数えなくて天国の神様?は、数えてくれているわけだから(笑)。
勿論、生きているんだから、未来は当たり前のように、段々、少なくなっていくけど、同時に、「高齢者になっても、少なくなっていく人生が、豊かになった、と感じられる時を、増やしていける」、と思うので。

いろんなイベントやサークルに参加して、そう感じさせてもらえる時が、ありました。

(サラリーマンとしての35年の人生は、親の病気と介護に悩んで上手くいかなかったけど)今年も、そのことに感謝して、生きていきたいと思います。

お知り合いになれた皆さん、今年も宜しくお願いします!(*^。^*)[i:140]

【メンバー日記】未来はあと15年→14年?♪ 年末挨拶も兼ねて、あいだみつをサロンのお店に☆


今年もあと1日。
来年は、「未来はあと14年?」となるはず(笑)・・平均寿命まで生きられれば!

未来が、段々、少なくなるのは、生きてるのだから当たり前だけど、改めて、考えると、やはり、ちょっと寂しいですね(笑)。

数日前、同期会があったけど、どうしても話題の半分は、残りの時間と他界した同期の話に・・・。

あまり考えても、意味は無いので、ガラス拭き終えた後、明日は天気が悪いので、散歩を兼ねて、時々、ピアノを弾かせて頂いたりしてお世話になっている、あいだみつをサロン兼ボローニャパンのお店に。

ここの社長さんは、絵が上手いので、毎年、大きな木の枝を巨大な壺に活けて、風流に、おめでたく、新年らしくしている。

来年の願は、平凡だけど、健康で社会参加、ですね。
今年は、いろいろのピアノのイベントに参加できて、出かける先を増やせて、いろんな方とも、お知り合いになれ、少なくなって行く人生だけど、豊かになったと感じる時があって、皆さんに感謝しています!

皆さん、良い年をお迎えください(*^。^*)

https://youtu.be/ptJP2Ii-0Jo

【メンバー日記】私のクリパは深夜1時から始まった


クリパに参加してくれた皆さん
お疲れさまでした

昨年はみんなでケーキを作りましたが今回は
私が自宅でケーキを作ることになりました

ホントは仕事終わってからすぐに始めようと思ってましたが
まだいいや まだいいや まだだいじょぶ・・・
と思って「やりすぎ都市伝説」を見ているうちに(録画)
深夜1時・・・(^^;) 

さてそろそろ始めます 私のクリパが始まりました

ケーキは バナナのムース デコレーションにピアノをかたどったものを考えました


まずはピアノ部分のスポンジを作ります ちょっとかためにしたいので水分少なくします これをグランドピアノの蓋っぽい形にオーブントースター(オーブンないので・・・)で焼きます
この時ついでにバナナも一緒に焼いておきます


焼いている間に バナナムースを作ります
ゼラチンを5倍の水でふやかして 牛乳を40度まで温め 砂糖と卵黄を混ぜます
アングレーズソースです 
ちなみに私 家では一切 計量計温はしませんので 適当(感覚)です(笑)


卵黄砂糖が白っぽくなるまで混ぜたら 牛乳を混ぜ 鍋で弱火で温めながら
鍋底を焦げ付かないようにゴムベラでこすりながら77度まで加熱します
計温もしないので感覚です(^^;) ちょっととろみがついてくるのが目安です
ここでふやかしておいたゼラチンを加えて溶かし 1度こします


ここに バナナ クリームと相性の良い ラム酒を加えるのですが そのままでは風味が強すぎるのでアルコール分を飛ばします


焼いておいたバナナ(4本使用)をミキサーで液状にしてアングレーズに混ぜます
同時にチョコを湯煎で溶かしていきます


ピアノの蓋型にしたつもりのかためのスポンジが焼きあがりました(笑)
後でカットして形を整えます


アングレーズの粗熱を冷ます間に 飾りにする ぴあにゃーびん を作ります
お皿にラップをして 溶かしたチョコを形にして冷蔵庫で冷やします


アングレーズが適温になるタイミングに合わせて生クリームを立てていきます
ここが1番大事なとこで 熱がありすぎると混ぜた生クリームが死んでしまうし
逆に冷ましすぎるとゼラチンが固まってしまい 再度加熱しなければなりません
ちなみに昨年と同じく 生クリームにはマスカルポーネチーズを加えます


生クリームは7分立てにして ムースで使う分量を 3回に分けてアングレーズに混ぜていきます 強く混ぜると せっかく立てた生クリームの泡が消えてしまうので ゴムベラで切るように混ぜていきます
できたら あらかじめ冷凍庫で冷やしておいた器に 底から スポンジ ムース(1度冷凍庫で2~3分固めます) スポンジ ムース の順で入れていき 冷凍庫で固めます


残りの生クリームはデコレーション用に10分立てにします
固まったムースに生クリームを塗り ピアノ蓋型にしたスポンジに湯煎で溶かしたチョコを塗り 余ったチョコで 音符やト音記号を作り ぴあにゃーびん・・・
あれ?どんな顔してたっけ?サークルのマスコットキャラなのに思い出せない(笑)
いつも見てるのに いざ探すとなかなか出てこない クリパトピのは速く動いててわからないし・・・この時2時半 もうみんな寝てるだろうな~(^^;)
昨年の合宿のトピでようやく発見!
なんとか顔を描きました が私ピアノもですけど 絵もへたくそです(笑)

3時でいったん終了 少し寝て 7時に起きて再開 果物は クリスマスカラーを意識して イチゴとキウイにしました
家を9時半に出るので それまでの作業です このほかにかぼちゃサラダも作るのでちょっと慌てましたが なんとか間に合いました

ケーキの仕上げは 現地ですることになっていたので 会場で生クリームを絞り
飾りを載せて完成です

私うっかり 完成したとこの写真を撮り忘れてしまいました・・・(+_+)
写真撮った方 コメント欄に載せてくれるとありがたいです
お願いします

いいわけですが やはりお店で作るのと自宅で作るのとでは 設備も違うし 手に入る材料も違うし 気分も違うし(^^;) ぐだぐだになってしまいましたが暖かい目で見てくれると嬉しいです

食べてくれた方ありがとうございます 
また気が向いたら 何か作っていきますので
今回食べれなかった方も その時はぜひ 

クリパお疲れさまでした
イントロクイズに美女と野獣の「一人ぼっちの晩餐会」弾いてくれてうれしかったです
あれ ルミエール(ろうそく)の真似して歌うと子供が喜んだんですよね
私の得意持ち歌でした

byトシ

【メンバー日記】ピアノの想い出(その9)


学生時代のクラスメートの奥様は、米国の音大で教鞭を取られるピアニストです。たまたまのメールでヴォカリーズのことに話が及んだ時、彼女は、「ウチには素晴らしいピアノがございます。弾きにいらっしゃいませんか?」と誘ってくれました。いくらなんでも本物のピアニストの前でピアノを弾く度胸は、私にはございません、とお断りすると、「この国では、ピアノを弾く方は、皆、ピアニストなのですよ!」と諭されました。

ピアノが好きで弾く者は皆、ピアニストです、という言葉は、その後、ずっと長く私の胸に残りました。そうなんだ、僕もピアニストなのだ、と思えることは、その後の私のアイデンティティともなりました。

昨年度までで全ての役職から外れ、自身のアイデンティティの多くが消え去りました。意識するしないは別として、私たちは基本的に自らのアイデンティティに寄りかかって生きています。それを失うことは生きていく依り代を失うことでもある、と私は考えます。そして、年とともに失われるアイデンティティを引き留める術も、ありません。放っておくと消えてしまうコレクション、それを保つためにピアノを弾き続けることを自らのアイデンティティとする、はたしてそのようなアイデンティティにどこまで依拠できるかということは、これからの私の生き方にも係わる課題です。

夕刻の一杯のアルコールもまた、生きるよすがです。ほろ酔い気分でピアノを弾くのも悪くはありませんが、実際のところ、あまり酔っていてはうまく弾くことができません。本当は、ピアノを弾くこと自体に酔い痴れることができれば、ということが、今の私の望みでもあります。

長々と書き連ねましたが、これで終わりにします。有難うございました。

【メンバー日記】椅子の高さ考⑥(最終)


前回は一般論の考察まで。

今回は
A:自分自身における考察と、
B:フォームなどを変更するときの落とし穴、
C:結論で終えます。

夏場、私にお会いした方は分かると思うのですが・・・
血管が、それはもう気持ち悪いほど浮いています。
献血センターや病院関係者など、大喜びの腕です。
父親などは生前、「歩く血管模型」などと揶揄してきたことすらありました。。

寒い時期だと収縮してそうでもないのですが、
冬場でもピアノ教室の多くは、暖房をかなりきかせて(くれて)います。
・・・指を動きやすくするため、故障リスク回避のため当然ですが。
そのような環境では、夏場と同じような状態になります。

画像は風呂上がりに、鍵盤と肘が同じくらいの高さ、の条件で撮ったものです。
(※夏場の平常モードがほぼ同じ)

この状態で指を動かすと、4・5の指を動かすたびに、
それぞれの腱の上を、血管がゴリゴリ動いてくれちゃいます。

「腱鞘炎で痛くて」「骨折が疼いて」ほどではありません。
しかし、それなりに痛痒く、くすぐったく・・・
意識を持っていかれる不快感は非常に大きいのです。

これを何とかしたいと考え、血管が出来るだけ浮かないように、
手を高い位置に保った弾き方を試すようになり、
椅子の高さがどんどん下がることとなりました。

これが今の椅子の高さへ導くこととなり、
その過程で、椅子の高さにおけるメリット・デメリットに気付き、
その考えはどのように論じられているかを調べ、
裏付けをしていきました。

型から入ったのではなく、身体的特徴(と性格)に合わせて
試行錯誤した結果であり、初参加したときに宣言した、
『ホロヴィッツやグールドは尊敬していますし、ファンですが、その真似ではありません』
なのです。

そしてここからBパート。

試行錯誤の中、最初に気付いたのはそれぞれのメリット・デメリットでした。
しかし低くしていくうちに練習中、
気がつくと肩をあげてしまい、肩が凝ってくるというデメリットが生じました。

ここで問題となるのが、
「そのデメリットは、本当にその方法を採用した結果なのか」
ということです。

結論から言うと、この凝りは
無意識に今までのフォームに近づけようとして、
肩をあげることで肘・手の位置を上げようとしたためでした。

重要なのは、
「無意識に、今までと同じに近づけようにした」こと。

そうして生まれる問題は、
「このようにデメリットが生まれる方法には欠陥があるから、
この方法には問題がある」
という結論に達することです。

その方法を使いこなせていないことを想定せず、
変化を嫌って無理に今まで通りを、
変化させた環境で無意識におこなってしまい、
その結果出てきた問題は、その方法が原因であると断定してしまう。

フォーム変更に限らず、「変化」させたときには
必ず直面することではないでしょうか。。

以上、長々と私のフォームの理由を言い訳させていただきました。
一見、風変わりでも、理由はあったりするのです。

また、「実際に試したけど効果なかった」のは
やり方に問題がある場合も多々あるもので、
「効果がなかった」という経験をすべてと見て否定に入るのは短絡的で、
それぞれの肉体や年齢、立場などで方法はいくらでも変わる可能性があると思います、
という主張でしたm(.. )m

【メンバー日記】ピアノの想い出(その8)


もう一曲だけ、私の心を捉えた「ヴォカリーズ」について話させて下さい。ヴォカリーズは一般名詞とのことですが、ここに挙げるのは無論、ラフマニノフ作曲の「ヴォカリーズ」です。NHKの「ラララ・クラシック」で取り上げたい曲(ピアノ曲とは限らず)を募集したところ、「ヴォカリーズ」が10位内に入ったとのことで驚きでした。不滅の「カノン」を含め、このようにコードが一段ずつ下降してゆく調べに対し、何故にかくまで私たちの心は惹きつけられるのでしょうか。原曲は声楽曲なので、ピアノ用に編曲されたものとなりますが、ユーチューブを見ると、実に様々な編曲があり、その中でも、コチシュ、リチャードソン、ワイルドによる3つが代表的であることが分かりました。それぞれに特徴があり、ワイルドの編曲はともかく派手で、高度な技術を見せつけます。リチャードソンには目立った特徴はありませんが、オーソドックスでピアニスティックな編曲が綺麗です。

さて、私が自身の自己紹介でも記したのは、ハンガリーのピアニスト、ゾルタン・コチシュの編曲によるものです。前半は原曲に忠実で、旋律とハーモニーをそのままの形で映しており、音を延ばすことができないピアノの特性も相まってやや単調とも言えますが、その特徴は最後の再現部で発揮されます。右手の2オクターブにわたるアルペジョが、圧倒的な存在感をもって、まさに銀河のキラメキを輝かせます。私は、ユーチューブでユジャ・ワンの演奏を見たとき、確かに鳥肌が立ちましたよ。ときには乱暴とさえ見えかねない凄まじいテクニックを見せつけるユジャ・ワンですが、彼女の右手は、押すともなく鍵盤を撫でるようにさすらい、はかなく消え入りそうなたゆたいが、しかしそのかそけさの中でも確実に一つ一つの音を伝えていきます。

一体どうやって旋律を奏でているのかまるでマジックを見る思いでしたが、楽譜を調達し、自分で再現を試みることで、その謎が解けました。これまでの暗譜は、大抵3か月前後に収まってきたのですが、この曲の暗譜にはほぼ1年を要しました。謎は解けても私には、旋律を浮かび上がらせるなどということは、到底無理で、本来のマジックは、それなりのテクニックがあればこそ実現できるのでしょう。しかし、この曲は、やはり、私のこだわりの一曲となりました。

田部京子というピアニストは、このアルペジョを過剰な装飾であるとして、コチシュの編曲からあえてそれを除外して演奏していました。彼女の言い分も分からなくはありません。曲の精神の孤高さを維持するには、余計な装飾は邪魔なのでしょう。私には、このアルペジョが、ショートケーキの甘やかさに感じられます。ショートケーキも生クリームも身体には毒でありましょう。けれども人生には、毒と承知の上であえてそれを賞味したいときもあるのでは、と思うのです。

【メンバー日記】フィンランド♪


最近ちょっとしたきっかけで、
北欧の作曲家にハマっています
といってもグリーグじゃないんですよね~

シベリウス、カスキ、メリカント、パルムグレン

・・・そう、フィンランド!

フィンランド在住の日本人ピアニスト館野泉さんは有名ですが、
彼のピアノは昔から大好きでした
それが最近余計心に染みるんです
そう言えば10月の発表会で私が弾いたブラジル人ナザレーの曲も、
全音出版では館野さんが編集しているんだった
多分私は彼の感性が好きなんだわ!

交響詩「フィンランディア」で有名なシベリウス、
彼のピアノ曲は一流扱いはされないので、
世界的に著名なピアニストの演奏はあまりないのですが、
あえて言えばアシュケナージのものがありますね
(やっぱりアシュケナージは私の心の師匠)
館野さんとは全く違う演奏で、これまた興味深い
どちらが好きかといえば館野さん・・・日本人ならではかな

それにしても我ながら、今なぜフィンランドなんだろう?
北海道育ちの心に響くんだろうか
彼らの音楽には澄み切った冷たい空気を感じます、やっぱり
早朝にはダイヤモンドダスト、夜空には凍える月・・・

マイブーム、2017年はブラジルでしたが、
2018年はフィンランド?

(あ、リストも弾きたいです)

ああ、ピアノって楽しいですね(^^)/
来年もよろしくお願いします!

By C.S

【メンバー日記】ピアノの想い出(その7)


家を建てたのは50歳になってからでした。子供たちも成長し、ピアノの置き場も確保でき、ようやく環境が整いました。そんなある日、妻君が言いました。「あなたが弾くのは曲の切れっ端ばかり。最後まで弾けないの?」と。そのとおりでした。私が弾くのは気になる曲の好きなフレーズだけ、あるいは、聞きかじったポップスの一部を真似てみたり、とまさに「弾き散らかし」の状態そのままでした。私にはピアノを弾くモチベーションもなければ、何のためにピアノを弾くのかというコンセプトもなかったのです。

コンセプトは明確でなければならない。そこで、自分なりの方向付けを考えました。まず選曲が大事、そして最後まで弾き透すこと(つまり、弾けそうな曲を選ぶこと)、次に曲の全部を暗譜することの二つです。暗譜するのは、ピアノさえあればいつでも弾ける態勢、すなわち、常時のスタンバイ状態を維持するためです。

最初に選んだのは、坂本龍一の「エナジーフロー」でした。当時、「24時間、戦えますか?」のCMでこの曲が使われ、ヒットチャートの上位にセミクラシックが食い込んだと騒がれていた曲でもありました。これを手始めに、坂本龍一のBTTB(Back to the basic)も購入し、「aqua」と「intermezzo」の2曲を覚えました。今見ると、後者には1999.12.23の日付署名がされています。流れるようなフレ-ズの印象的な曲で、成程、ブラームスを彷彿とさせるじゃないか、と思ったりもしたものです。

坂本龍一は今も著名な作曲家ですが、当時はちょっとしたブーム状態にあったようで、ブームが過ぎ去るとともに私の興味も凋落したように思います。コンセプトはともあれ、曲に対する執着を維持することが大変、難しい。この当時はまだそれほど切実な自覚ではありませんでしたが、自分には決して多くの時間が残されていない・・・それは、物理的な時間ではなく、身体的能力も含めてピアノに関わっていられる時間は有限でしかなく、おそらく加速度的に短縮していくだろうという予感です。ともかく、あれもこれもと対象を拡げてゆくわけにはいかず、何らかの絞り込みが必要だろうということだけは当時の自覚でもありました。

そうして選んだ曲の一つが「別れの曲」です。日本で好きなピアノ曲を挙げてとのアンケート調査をすれば間違いなく10指に入るだろうこの曲を選ぶのは、あまりにもベタ過ぎかもしれないけれど、やはり、除くわけにはいきません。持っていた楽譜は学生時代に買った全音のピースで定価50円となっていましたが、ご多聞にもれず、初めの部分だけの切れっ端しか弾いておりませんでした。テーマが変化する中間部から「4度の林」を抜けて至る難関の「6度の森」は、この曲が本来、エチュードであることを再認識させるにふさわしく、楽譜を見ただけで「これは無理」と諦めておりました。しかし何であれ最後まで弾くというコンセプトに従っておそるおそる手掛けて見たところ、両手を突き出すように差し出すという独特のパターンを掴みさえすれば同じ所作で全部を処理できるということに気づき、ある日、「森」を通過することができました。

この曲の難しさは「森」に限らない。最初の部分で、右手の1、2指を抑制しながら3、4、5指で旋律を浮かび上がらせる、つまり自然に反して指を制御する必要があるという無理無体な注文もあるわけですが、ともあれ「森」を抜けた嬉しさで、当時私は、楽譜全体を掌大に縮小コピーしたものをマスコットとして持ち歩いていたものです。

今現在、この曲を弾くことはできませんが、生涯の10曲を選ぶとすればおそらくその中に入ってくるはずの一曲です。私は、これをコレクションであると捉えています。世の中には、様々な嗜好のもとで様々なコレクションがあるわけですが、これは、決してお金で贖うことのできない特別のコレクションであると、私は考えます。