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【メンバー日記】ロベルト・シューマン考


現在師事しているピアノの先生のところには新旧のお弟子さんがかなり頻繁に出入りしていて、そんなOGさん(OBさんは希少)たちの多くは、何かしら音楽に係わる仕事に就いているようです。彼らには機会があるごとに、好きな作曲家はと聞いているのですが大多数の答えはショパン。この会でも圧倒的人気ですよね。中には”私はシューマンが苦手”という声もパラパラ。

話変わって、音楽の友誌に7-8年くらい前にピアニストの選ぶ10大ピアノ曲というような特集があったのが記憶に残っています。ここでもやはりショパンがかなりの曲数を占めていました。クライスレリアーナだけが唯一ロベルト・シューマンの曲として選ばれていました。これが現実なのかと痛感しました。

確かに、シューマンのピアノ曲、難しい割には演奏効果が薄い、フレージングがくどい、内声がとても複雑、指使いが無理、10度で6音弾けって?-腱鞘炎製造工場か?管弦楽曲でもオーケストレーションに難ありと不評嘖々です。

でも、でもそんなシューマンは私にとっては一番の作曲家です。

どこがいいの?そう、まずその不思議な少し濁りのある、でも深い音色の和声。
たとえば交響的練習曲の主題、第3変奏、ソナタ3番、第3楽章のやはり変奏主題、カルナバルの冒頭プレリュード、ソナタ1番の第一楽章、長い序奏などなど。

あとは躁鬱病とも思える気分のムラ。組曲形式の曲が多いなかで、無限の全能感を表現させるパッションの閃光のすぐ後に続く、打ちひしがれた脱力感、絶望表現。このまだら模様はよそでなかなかは味わえません。

出会いは大学時代。このころはハードロックファンでレコード屋にはよく立ち寄っていました。クラシック、ふん、つまらんという感じでおりました。そんなある日いつもの行きつけの店に入ると、クラシックコーナーから輝かしいピアノの響き・・・全盛期のリヒテルの弾く交響的練習曲でした。息が止まる思いというのはこのことかと思いました。あとは語るまでもなくその日からシューマン病の始まりです。出口はいまだに見出せません。

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