シシリエンヌとはwikipediaによれば、「ルネサンス音楽末期から初期バロック音楽に遡る舞曲の一つ。ゆるやかな8分の6拍子か8分の12拍子で作曲され、ためらいがちにたゆとう曲想と付点リズムが特徴的で、通常は短調(もしくは自然短音階)をとる。」このバッハの作品は「フルートとチェンバロのためのソナタ」の中間楽章。実はバッハ作曲でなく「伝バッハ」らしい(つまり偽作の可能性もある)。その出自はともかくとして、この曲のもつ短調の主旋律が長調に転じる場面転換の妙は十分魅力的。雨上がりの空にかかる一瞬の虹のようでもある。ドイツの重苦しい鉛色の空の下夢見る、遠い南国への憧れと仄かな感傷。不思議なのは、たいてい南国の音楽には明るさと共に涙をたたえたリリシズムが共存していること。きっとその土地土地にはかなしい歴史の記憶があるのだろう。フォーレの「シシリエンヌ」も亦同様。はるか昔ピアノリサイタルのアンコールで弾かれたのをきいてとても印象に残った一曲。
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