どうも、T.N.です。今日も元気にストリートピアノ日記を書いていきたいと思います。
※この日記は前回からの続編です。
5月2日(土)。いよいよ5日間にわたる九州ストリートピアノの旅も、最終日を迎えました。
この日の朝はホテルをチェックアウトし、まず熊本城へ向かいます。
熊本地震から10年が経った今も、城内には崩れた石垣など、地震の爪痕が随所に残されていました。その様子から、改めて被害の大きさを感じます。一方で復旧も少しずつ進められており、熊本のシンボルを未来へ残そうとする多くの方々の思いも伝わってきました。
完全復旧は2052年を予定しているとのこと。その頃にもまた、この場所を訪れてみたいと思います。
熊本城を見学した後は、お昼ご飯です。
この日は熊本ラーメンをいただきました。博多ラーメンとはまた違い、マー油の香ばしい風味が強く感じられます。最初はその存在感に驚きましたが、食べ進めるうちにすっかりクセになり、とても美味しくいただきました。
午後は熊本駅から新幹線に乗り、終点の鹿児島中央駅へ向かいます。
駅の東口を出ると、すぐ目の前には「鹿児島中央駅前一番街」というアーケード街がありました。
アーケード内を少し進むと、カラフルな装飾が施された1台のアップライトピアノが置かれています。
実はこの場所、2011年に日本で初めてストリートピアノが設置された場所なのだそうです。
全国各地のストリートピアノを巡ってきた筆者にとって、以前から一度訪れてみたいと思っていた場所でした。その歴史がここから始まったのだと思うと、なんとも感慨深いものがあります。
初代のピアノは昨年その役目を終え、現在は二代目が設置されているとのこと。15年にわたって商店街の中でストリートピアノが続けられ、今も受け継がれていることを嬉しく思いました。
早速、弾かせていただくことにします。今回演奏したのは、ベートーヴェンのソナタ30番1楽章です。
年季は感じられるピアノですが、音はしっかりと力強く響きます。人通りはそこまで多くありませんでしたが、ときおり足を止めて聴いてくださる方の姿もあり、それがとても嬉しく感じられました。
演奏を終えると、後ろから温かい拍手が聞こえてきます。
振り返ると、部活帰りでしょうか。サッカー部の男子高校生が、後ろのベンチで演奏を聴いてくれていました。
「良かったです!」
そう声をかけてくれた後、
「リクエストしてもいいですか?」
と続けます。
「僕、ショパンの『革命のエチュード』が好きなんですけど、弾けますか?」
せっかくのリクエストなので、久しぶりにを弾いてみることにしました。
落ち着いたアーケードの中に、力強いピアノの音が広がっていきます。背後からは、彼が真剣に耳を傾けてくれている様子が伝わってくるようでした。
演奏を終えると、再び大きな拍手を送ってくれます。
「ありがとうございます!憧れの曲だったので、聴けて嬉しかったです」
その言葉を聞き、今日この場所まで弾きに来て良かったなと思いました。
その後は少し立ち話をしました。
神奈川から旅行で訪れ、この数日間、九州各地のストリートピアノを巡ってきたことを伝えると、とても驚いた様子でした。
さらに、この場所が日本で初めてストリートピアノが設置された場所で、以前から弾きに来たいと思っていたことを話すと、
「そうだったんですか。全然知りませんでした」
「そんな歴史のあるピアノなんですね、なんか誇らしいです」
と話してくれました。
また鹿児島を訪れた際には弾きに来ることを伝え、その場を後にしました。
次に向かったのは、城山公園です。高台からは、鹿児島の街並みの向こうに桜島を間近に望むことができました。
写真では何度も見てきましたが、実際に目の前にすると、想像していた以上の大きさと存在感に圧倒されました。
景色を眺めているうちに、少しずつ日が傾き始めました。いよいよ帰りの時間です。
少し名残惜しさを感じながら、高速バスで鹿児島空港へ向かいました。
空港に到着してまず向かったのは、3階の展望デッキです。
ここからは恒例、「飛行場で弾こう」シリーズの時間。
展望デッキ入口の横には、1台のアップライトピアノが置かれていました。ピアノには、さつまいもや黒豚、白くまアイスなど、鹿児島の名物がカラフルに描かれています。
早速、弾かせていただくことにしました。今回演奏したのは、ベートーヴェンのソナタ31番1楽章です。
鍵盤は適度に軽く、とても扱いやすく感じられます。低音から高音までよく鳴り、気持ちよく演奏することができました。
目の前では、ガラス越しに飛行機が離着陸する様子も見えます。こうした空港ならではの景色を眺めながら演奏できたことは、なかなか貴重な体験でした。
演奏を終えると、背後から大きな拍手が聞こえてきました。
振り返ると、ご家族や親戚の集まりでしょうか。10人ほどの皆さんが、後ろで演奏を聴いてくださっていました。温かい拍手にお礼をお伝えし、その場を後にします。
こうして、5日間にわたる九州ストリートピアノの旅は無事に終えることができました。
今回は18台ものピアノを巡る、盛りだくさんな旅となりました。行く先々でさまざまなピアノや人、街との出会いがあり、とても充実した5日間だったと思います。またぜひ、ピアノを巡りながら旅してみたいと思います。
【今日の飯テロ】
今回の旅、最後の食事は鹿児島空港でいただいたロースカツです。
お肉は柔らかくジューシー。旅の締めくくりに、美味しくいただきました。
